2026年10月28日 PJコラム 

【コラム】
既存設備の中にある脱炭素への近道

PJコラム

 補助金は、申請すれば必ず採択されるものではない。公募要件を満たすのは大前提として、事業の持続可能性や社会実装への道筋をいかに描けるかがカギとなる。数々の補助事業の窓口を担う(公財)廃棄物・3R研究財団によると、近年は脱炭素と資源循環をいかに産業の現場に根付かせるかが重視されているという。技術の新規性だけでなく、事業として成り立つかどうかが問われているわけだ。

 ▼例えば、グリーン化学に取り組むベンチャー企業のiPEACE223㈱は、バイオエタノールからプラスチック原料となるモノマーを製造する技術の実証に取り組む。既存の石油化学設備を活用できるため、化学メーカーの脱炭素化ニーズを取り込める可能性がある。将来的にはCO2排出量65%以上の削減を目指す。一方、㈱GSIクレオスは、使用済みの電気設備資材を回収し、劣化した樹脂の機能を回復させながら、同じ電材製品への水平リサイクルを目指す。再生材の品質をいかに確保するかがポイントとなる。両社に共通するのは、既存の設備や製品用途を生かしながら、原料の脱炭素化や資源循環を実現しようとする姿勢だ。いずれも環境省の2026年度「脱炭素型循環経済システム構築促進事業」に採択された。

 ▼この2件からも、補助事業が重視する方向性の一端が垣間見える。巨額の設備投資を伴う新たな仕組みを一から構築するだけが、脱炭素や資源循環への道ではない。既存の産業基盤を生かしながら、原料転換や再生材利用をいかに効率的に前へ進めるか。プラジャーナルでは、国内で定期的に公募されているリサイクル関連の補助金制度や過去の採択事例をまとめた記事も近日公開する予定だ。ぜひ参考にしていただきたい。

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