
海洋プラ汚染防止条約の制定に向けた議論が進んでいる。温暖化対策にみるような議定書や協定よりも、より法的拘束力の強い枠組みになるようだ。留意したいのは、海洋プラ対策を旗印に掲げた欧州による世界的な環境ビジネスの波にのまれ、日本の強みが失われないかという点だ。欧州は「環境」を競争軸と据えることで優位性が出せるため、環境活動と経済活動を統合したビジネスを巧みに展開してきた。まさに自動車のEV化推進や脱炭素対応にみてきた、それである。
▼もっとも、海洋プラスチック汚染をなくしていく方向に異論はない。だが、各国における廃棄物処理の不備によるプラスチックの海洋流出の状況は千差万別だ。それを一律の規制や義務的措置といった網をかけて、果たして海洋プラ問題は解決できるのだろうか?日本は使い捨て容器包装で世界第2位の生産国であるものの、廃棄物の管理という面では徹底してきた。収集後の飛散もほとんどなければ、下水に流れても処理場のスクリーンで除去される。条約交渉で、日本は国別行動計画の推進を掲げており、むしろ途上国に向けてプラスチックの収集やリサイクルといったインフラ貢献するほうが効果が高いように思われる。
▼海洋プラで根拠となったのが2015年にサイエンス誌に掲載された論文だ。これによると日本からの海洋プラ流出量は年間2~6万トンと推計している。例えば、横浜市で1年間に家庭から回収される容器包装プラが約5万トンなので、これに匹敵する量が海に流れ出しているというのだ。あまりに過大で、実態とかけ離れた感は否めない。これは海岸域人口の比率が高く、散乱割合が一律2%の前提で計算されたためである。日本政府は、適切な情報基盤の重要性も指摘しており、客観的な根拠をもとにした実効性ある条約づくりに期待したいところだ。
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