2023年6月16日 PJコラム 

【コラム】
可愛さでアプローチする海洋プラスチック問題

PJコラム

 アクセサリーブランド「sobolon(そぼろん)」の代表・山崎姫菜子さんは家族やクリエーター仲間などと月に一度は海岸に行き、海洋プラスチックごみを拾う活動をしている。地元岐阜県に近い愛知県常滑市の海岸に行くことが多いが、石川県能登半島や富山県に行くことも。日本海側には大陸から漂ってきた原型を留めたままのボトル、ブイや漁網が、1~2時間で多い時には45リットルごみ袋で12袋ほども拾える。一方、太平洋側の常滑の海岸では、長い時間をかけて漂流し砕けて小さくなったプラスチックを、砂浜をかき分けて拾う。5ミリ以下のものも多いが、それでも3袋ほどが簡単に集まるという。

▼山崎さんたちは、集めた廃プラの中から選り分けたプラスチックを使い、ピアスやイヤリング、指輪などのアクセサリーに加工して販売する。選別したプラスチックは水で洗い、色分けする。アクセサリー用には、ハサミで切ることができるような、厚みのないものを選ぶ。それらを色味、デザインを考慮しながら配置して、レジンでコーティングし固める。そうしてできたパーツの美しいこと。全て一点物だ。例えば、漁網を小さく切ってちりばめたパーツの色は、ライムグリーン、イエロー、ブルーのほか、レインボーもある。光の反射が微妙な色味を作り出す。

▼sobolonブランドのアクセサリーは、期間限定販売も含め全国各地で販売され、月間350個ほど売れる。自治体から子ども向けワークショップ企画を依頼されることもあり、海洋プラスチックを壁画のモザイクアートにしたりもする。山﨑さんは「可愛いと思って手に取ってもらったアクセサリーをきっかけに、環境に関心を持ってもらえることが嬉しい」と話している。

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