【東京23区】
全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し
一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む

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 1000万人弱の人口を抱える東京23区は、2021年度(令和3年度)まで容器包装プラスチック(容リプラ)の分別収集を実施するのは12区のみだった。容リルートに乗るのは年間2万7千トンほどと全国の回収量の4%に過ぎなかった。容リルートでリサイクルする区に対し、他区では焼却施設での熱回収が中心と処理方法を二分してきた。だが、プラ新法の施行でこの流れが変わった。製品プラとの一括回収が促され、収集・中間処理への助成も手厚くなったことで、未実施区でも一括回収が開始・検討されるなど、ほぼ全区的に分別収集が進みそうだ。

未実施区がモデル実施や検討開始

 東京23区では、一括回収の分別収集を2区、容リプラの分別収集を10区が実施してきた。プラ新法の施行後の2022年度から一括回収をモデル事業として始めたのが、文京区、台東区、大田区、北区、荒川区の5区である。本格実施に踏み切ったのが渋谷区の1区だ。渋谷区の場合、容リプラの分別収集やモデル事業といった準備期間を設けず、昨年7月からぶっつけの全域実施となった。

 また来年度からは、墨田区と豊島区で一括回収のモデル事業を始める。江東区は容リプラの分別収集を実施してきたが、今年10月から全域での一括回収へ移行する予定だ。未実施である世田谷区、足立区、板橋区でも審議会や所管課などで検討が進められており、何らかの形でプラスチックの分別収集に着手するもよう。リサイクルか焼却かで二分していた23区であったが、プラスチックを資源循環するだけでなく、CO2排出量を減らしていく社会的要請も強まり、全区的に分別収集とリサイクルの流れが拡がっていきそうだ。

 モデル事業を開始する区で、全域での本格実施の時期を明示しているのが、豊島区、大田区、墨田区の3区。豊島区と墨田区は2024年度から、大田区は2025年度中を予定している。他のモデル事業の実施区は、モデル事業を継続したり、段階的にエリアを拡大していく。文京区だけは、今年2月末で一旦モデル事業を打ち切り、結果を検証しながら今後の方針を判断する。

製品プラ引き渡し、独自ルート継続も

 もともと一括回収を先行していたのが、港区と千代田区だ。ともに2008年度から容リプラと製品プラを併せて分別回収を実施。この2区では製品プラを独自ルートで処理・再商品化してきた。プラ新法が施行されたことによって、2023年度から各自治体が一括回収したものをベール化し、容リ協会へ引き渡したものについて、初めての入札が実施される。

 千代田区では、これまで一括回収したプラ類をトベ商事の中間処理施設で選別・圧縮した後、容リプラは容リ協会ルート、製品プラは独自ルートで処理してきた。独自ルートの引渡し先は市川環境エンジニアリングだった。来年度からは一括回収したものを容リ協会に引き渡す方式に移行する。

 一方で、港区は従来の独自ルートを継続する。つまり、混合ベールとして容リ協会に引き渡すのではなく、従来どおり容リプラのみ容リ協会に引き渡し、製品プラはレゾナック(旧昭和電工)の川崎工場へ引渡して、再商品化する。同区の指定保管施設(中間処理施設)は区営の港資源化センターで、そこで選別・梱包・保管している。

 製品プラを容リ協会へ引き渡すか、独自ルートで処理するかは、自治体によって判断が分かれる。モデル地区などで新たに一括回収を始める区でも、製品プラは独自ルートでの処理を選択するケースもある。自治体へのヒアリングによると、①容リルートはリサイクル手法が選べないこと、②再商品化施設の能力が充分確保できるか不透明なこと、②容リルートの入札価格が独自ルートより上回る可能性があることの3つの課題が指摘されてきた。

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