
3月、奈良県橿原市に誕生した世界最大の無印良品を訪れた。売り場面積は約8,200平方メートルに及び、そのコンセプトは資源循環社会を体現することだという。店内には不用になった衣類、雑貨、容器の回収ボックスが設置され、染め直された衣料品やリユース品、中古家具、古本が並んでいた。一角には家具のリペア工房も設置されており、環境配慮の姿勢が随所に見られた。こうした取り組みは、無印良品が追求してきた「シンプルなくらし」の世界観をさらに発展させたものであろう。
▼サーキュラーエコノミーの潮流の中で、小売事業者が古着販売に乗り出す動きは、ユニクロやZOZOTOWNなどでも見られる。小売業にとって、ごみの削減や製品のライフサイクルの延長は、ブランドイメージの向上にもつながる。しかし、大量生産・大量販売を前提としたビジネスモデルである以上、リユースを推進することにはジレンマも伴う。店舗で回収し、リユース品を販売ルートに乗せることで商機に変える試みは、この矛盾を解消する一つの手法といえる。
▼とはいえ、小売業者がリユース・リサイクルの専門知識を持たずに取り組むには限界がある。ノウハウが不足している場合、軌道に乗せるまでに時間がかかるため、静脈産業との連携が求められる。回収ルートの構築や再生処理技術、廃棄物の適正処理に関して強みを持つリサイクル企業と協力することで、より効果的な資源循環が可能となろう。いわば、「餅は餅屋」の考え方で、小売業者とリサイクル業者のパートナーシップが今後ますます重要になっていくだろう。
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