2025年3月17日 PJコラム 

【コラム】歴史深き島が直面する環境課題

PJコラム

 対馬は九州の玄界灘の韓国寄りに位置する島で、本州に付随する島では佐渡島・奄美大島に次いで3番目に大きく、人口2万6千人が居住している。地理的に日本で最も朝鮮半島に近いため、中国や朝鮮を含む大陸文化と日本文化の貿易や交流の地として栄えてきた。日本の国交・文化・経済の窓口の役割を果たす地として重視され、古くは魏志倭人伝にも登場する歴史深き島である。江戸時代には使者を迎え、将軍のいる江戸まで守護するのが対馬藩の役目だった。

 ▼この歴史深くて美しい対馬が廃棄物・リサイクル業界から注目されている。寒流と暖流がぶつかり、大陸から多くの漂流物が流れ着くこの地は、日本で最も海ごみが多い場所として知られるようになった。特に近年、この島の海岸の景観を損なっているのは、多くのプラスチック類である。容量比ではプラごみが51%を占めて最も多く、木質類の48%を超えている。

 ▼このような深刻な状況を救うべく、有志が立ち上がって2017年に一般社団法人対馬CAPPAを設立。定期的な海岸清掃イベントの他、普及・啓発・調査事業を行っている。スタディ事業では多くの日本や韓国の企業・自治体・学生が来島して、海ごみの現状の学習会と共に、実際に海岸清掃を行っている。3月下旬に対馬に渡って取材を行うので、乞うご期待。

週間アクセスランキング

PJコラム »

プラスチック関連情報メディアのプラジャーナルでは購読者受付中です。古紙ジャーナルとの併読割引もございます。