
「積んプラ」を目を細めて眺める息子。買い集めたまま箱を開けずに積み上げられた未組立のプラモデルのことで、少しずつ作っていく時間そのものが楽しみなのだという。こちらは微笑ましい光景だが、近年、社会問題となっているもう一つの「積んプラ」がある。郊外のヤードに山積みにされた廃プラだ。有価で買い取られた後、長期間保管され、火災や悪臭、水質汚染を引き起こし、周辺住民とのトラブルに発展するケースも少なくない。
▼こうした状況を受け、改正廃掃法では有価物ヤードに全国一律の許可制が導入されることとなった。すでに千葉県などでは独自条例による規制が先行しており、今回の制度化はその流れを全国へ広げるものといえる。もちろん、リサイクルの流れを妨げることが目的ではない。悪質な事業者を排除し、適正な保管や管理を促すことで、地域と共生できる資源循環の基盤を整えようという趣旨だ。ただ、制度ができれば解決するほど現実は単純ではない。法の網が及ばなかったヤードの把握や許可取得の指導には相当な人員と時間を要する。さらに悪質な事業者は、「有価物」の名の下に残さを放置しながら場所を移すなど、行政とのイタチごっこを繰り返してきた。制度の実効性を担保するには、許可後の監視体制も欠かせない。
▼もう一つ見落としてはならないのが排出者の責任だ。有価で売却したからといって、その後の行方に無関心でよいのだろうか。適正な事業者がコストをかけて環境対策を講じる一方、不適正な事業者が高値で集荷し放置する構図が続けば、「悪貨が良貨を駆逐する」ことになりかねない。ヤード規制の成否は、排出者を含めた社会全体の責任のあり方にかかっている。
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