
欧州で、ELV規則が暫定合意に至った。これまでも、世界の環境規制に大きな影響を与えてきたEUの決断とあっては、そう遠くない未来にこのルールが国際的な基準となる可能性も十分に考えられる。グローバル展開を見据える日本企業にとっては、より迅速な対応が求められるだろう。だからこそというべきなのか、2023年にEUが発表した当初の「ELV規則案」と比べると、野心的な目標は影を潜めている印象を個人的には受けた。もちろん、最終目標として掲げられている2038年時点での新車再生プラ利用率25%は達成できれば立派な数字だが、気になるのはその実施時期だ。もともと予定されていた2031年から、一度は2029年に前倒ししたにもかかわらず、ふたを開ければそこから大きく遅れてのタイミングとなった。当然、リサイクラーや車メーカーの都合を考慮し、具体的に実現可能な時期を調整した結果、緩和されたというのも理解できる。しかし、どうしても問題の先送り感が拭えないのは気のせいだろうか。
▼一方で、日本の環境省は1月13日、自動車リサイクル制度に関する「第64回合同会議」を開催した。国内で抱えている課題に対する議論は白熱していたものの、ELV規則に関する言及はみられなかった。政府側に理由を確認したところ、暫定合意に至ったとはいえ正式ではなく、今はまだ日本としての立ち位置を示すタイミングではないと判断したため、あえて触れなかったそうだ。今後、欧州の動きに合わせて、産官学コンソーシアムでも議論していく予定になっているという。この日本の判断を含めて、まずは世界各国がどのように動くのか、注目したい。
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