
飲料容器の高度な自動選別を実現する新たなAI機器が、廃棄物処理の現場に姿を現す。今年末に埼玉県のウム・ヴェルト㈱に納入される予定のリサイクルロボットだ。今回、このロボットのAI開発を手がけたベンチャー企業、㈱イーアイアイを取材した。話を聞くほど、技術の難しさは感じつつも、大幅な作業効率の向上、省人化を見込める可能性には改めてワクワクさせられた。
▼AIは、製造業や物流、医療などさまざまな業界へ急速に浸透している。しかし、廃棄物業界においては積極的な導入が進んでおらず、盛り上がりからは一歩遅れている印象である。その理由は、廃棄物は形状も材質も不定形で、汚れや不純物の混入が日常茶飯事だからだ。汎用AIは同じものを大量に処理することは得意だが、例外ばかりの廃棄物は、最も苦手とする現場。加えて、ロボットラインの導入コストは数億円に上り、補助金への依存度も高く、人間であれば暗黙の了解で通るルールを明確化してAIに学習させる過程も容易ではない。
▼深刻な人手不足、技能の属人化、そして過酷さを増す労働環境。廃棄物業界が抱える課題は、一時的な人員確保だけでは解決できない段階に入っている。近年は40度近い猛暑日が増え、風通しの悪い作業現場では、労働災害リスクも高まっている。こうした現場でAIが果たす役割は、単なる省力化ではない。身体的な負担や危険を減らし、経験や体力に左右されにくい現場を実現できるのだ。無理や根性に頼る現場から、誰もが長く安心して働ける職場へ。AIが「人が働き続けられる現場」を支える技術として育っていくなら、その価値は単なる自動化以上に大きいだろう。
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