資源リサイクル大手のエンビプロ・ホールディングス(以下、エンビプロHD)は、将来的なGXとCEの流れにどう対応するのか?環境事業推進部で新規事業開発及び環境DXに携わる川地茂課長が「エンビプロのGXとCEへの取組み」と題して、一般社団法人日本RPF工業会(三輪陽通会長・三光会長)の総務広報委員会・用途開発委員会合同勉強会(2月24日、フクラシア品川クリスタルスクエア)で講演した。川地氏は2050年カーボンニュートラルに向けて進む現在「GX(グリーントランスフォーメーション)もCE(サーキュラーエコノミー)もどちらも追いかけていかなければ、新しい市場に対する自分たちの機会を最大化できない」と強調した。以下、講演録から要旨を抜粋して紹介する。
世の中の動きは速く、CE関連の法制度の整備も進んでいる。日本ではGX実現に向けた基本方針が閣議決定された。また2022年4月にプラ新法が施行され、3R交付金の関係もあるが、予想以上に自治体を中心にした動きが早まっている。今後、民間企業による対応がまだ見えていないところもあるが、我々が提供できるサービスの価値を見極めたい。
今後重要になるのがデータ管理だ。政府主導によって動脈と静脈を全てつなげたサプライチェーンが作られる。その輪の中に入りたければ、温室効果ガスなどの関連データをしっかり管理して、そのデータを提供できる存在にならなければならない。日本国内ではGXの基本方針(今後10年間を見据えたGXのロードマップ)が出て、さらに推進していくための法案が出されている(※)。
ここで読み取れるのは、RPFはカーボンプライシングの可能性が大きいということである。石炭の排出係数だと、1トン燃焼し2.5トンのCO2が出る。しかしRPFであれば1.5トンの排出量で済むため、1トン削減できることになる。潜在的な削減価値として、1トンJクレジットで3000円だとすれば、RPFを5円/kg(到着値)ぐらいで売っているものを、7.5円/kgとか10円/kgぐらいまで引き上げていけるのではないか。少なくとも、我々RPF事業者としては、そう考える。それを超えるような潜在価値が顕在化してくるもありうるだろう。
…
この記事は有料会員記事です
▼残りの85%を読むには、会員登録が必要です▼
この記事は有料サービスをご契約の方がご覧になれます。
契約されている方は、下記からログインを、
契約されていない方は無料トライアルをご利用ください。
2024年04月22日【容リプラ・製品プラ】一括回収が89自治体まで増えるも、落札量は微減再商品化計画への移行や容リルートからの離脱で
2024年04月22日【プラスチック汚染対策条約】第4回会合(INC-4)がカナダ・オタワで開催生産削減で合意できるか?日本の主張にも注目
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年04月22日【サムズ】使用済み紙おむつリサイクル普及拡大目指す栗田工業との協業とさらなる研究開発推進
2024年04月22日【イワフチ】容リ法施行前の1995年からPETフレークの生産を開始九州におけるPETボトルの扱いシェアは6~8%「容リ法によるPETボトルの役割は終わったのではないか」(岩渕社長)
2024年04月22日 コラム
紳士服・スーツ販売「洋服の青山」の青山商事が牡蠣の貝殻を使った素材「SEA WOOL(シーウール)」のスーツを[...]
2024年04月15日 コラム
ファーストペンギンという言葉がある。常に集団で行動するペンギンの中で、天敵がいるかもしれない海に向かって、真っ[...]
2024年04月08日 コラム
紅麹を含むサプリメントが健康被害を引き起こし、騒動となっている。この「機能性表示食品」というのは、2015年に[...]
2024年03月25日 コラム
先日、直富商事(本社・長野市)が新設した第三工場を取材した。混合廃棄物の中間処理施設で、この分野では日本で初め[...]