産廃は排出元からの依頼ありきだったものが、処理後のニーズが先行し、中間処理の風景を変えつつある。むろん背景にあるのは、廃プラをより原燃料に使いたいという資源循環ブームである。マテリアルリサイクルでは国内外からの引き合い、サーマルリサイクルでは産業セクター間での調達が活発化している。燃料としてのRPF・フラフは、少なくても能力ベースでみて製紙、セメント、鉄鋼を合わせて40~50万トン伸びるとみられる。
▼そこへ同等の規格のものをケミカルリサイクル向けで確保する動きも加わる。中間処理業者が廃プラをSRF(Solid Recovered Fuel=燃料)とSRM(Solid Recovered Material=原料)と捉え直し、より広い市場に開く試みもある。供給先や処理手法の移行は、中間処理業者側の事情もある。電力高騰によって処理コストが膨らみ、RPFからフラフに替えたり、供給ルートを見直さざるを得なくなってきたからだ。フラフは破砕のみ、RPFは破砕・圧縮成形するので、処理コストは倍近くまで開いたという。
▼とはいえ、産廃由来の廃プラは、発生量が過去10年間で83万トン減少。ニーズが増えたとて、発生が増えるわけではない。その結果、石炭代替需要などの要請もあって、セクター間で限られたものを奪い合う構図が生じつつある。今後、掘り起こしの可能性があるのは、家庭系の廃プラだ。容リプラ・製品プラは単純焼却量もまだ多く、中間処理の委託業務は、自治体との随意契約により安定した量が見込まれる。こうした一廃分野に商機を見い出し、産廃業者の中から新規参入するケースが各地で出始めている。
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