2026年8月12日 PJコラム 

【コラム】
日本の『分別文化』は海を渡れるか

PJコラム

 インドネシア・バリ島は、かつて日本人にとってアジアを代表するリゾート地だった。1990年代から2000年代にかけて日本人観光客は大きな存在感を示し、少なくとも2008年までは国・地域別でトップだった。ハワイなどに比べて比較的手頃で、日本から直行便で南国リゾートを楽しめることも人気を支えた。その後はオーストラリアや中国、インドなどからの旅行者が急増し、日本人の存在感は相対的に低下したとされる。

 ▼この夏、そのバリ島を訪れた。特定非営利活動法人・未来対話青年協議会(FDJC)の「みらい会議」に招かれたのがきっかけだ。現地の学識者や産業界の方々と、観光地が抱えるごみ問題について意見を交わした。議論を通じて浮かび上がったのは、有機ごみとプラスチックごみの双方が大きな課題となっていること。そして、その解決には「教育」「小さな成功事例の積み重ね」「ビジネスとして持続する仕組み」の三つが欠かせないということだった。

 ▼経済発展と環境問題への関心には一定の関係があるとされる。世界銀行によると、2025年のインドネシアの1人当たりGDPは約5,060ドル。ベトナムもほぼ同水準に達し、フィリピンも追随する。東南アジアの経済成長とともに、生活の豊かさだけでなく、環境の質に対する社会的な要求も高まっていくだろう。日本が培ってきた分別やリサイクルの知恵を、現地の文化や国民性と融合させながら、新たな仕組みへと進化させられないものか。海外での成功モデルはほとんど見当たらず、資源循環ビジネスにとって未踏の領域だといえる。

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