
産廃は排出元からの依頼ありきだったものが、処理後のニーズが先行し、中間処理の風景を変えつつある。むろん背景にあるのは、廃プラをより原燃料に使いたいという資源循環ブームである。マテリアルリサイクルでは国内外からの引き合い、サーマルリサイクルでは産業セクター間での調達が活発化している。燃料としてのRPF・フラフは、少なくても能力ベースでみて製紙、セメント、鉄鋼を合わせて40~50万トン伸びるとみられる。
▼そこへ同等の規格のものをケミカルリサイクル向けで確保する動きも加わる。中間処理業者が廃プラをSRF(Solid Recovered Fuel=燃料)とSRM(Solid Recovered Material=原料)と捉え直し、より広い市場に開く試みもある。供給先や処理手法の移行は、中間処理業者側の事情もある。電力高騰によって処理コストが膨らみ、RPFからフラフに替えたり、供給ルートを見直さざるを得なくなってきたからだ。フラフは破砕のみ、RPFは破砕・圧縮成形するので、処理コストは倍近くまで開いたという。
▼とはいえ、産廃由来の廃プラは、発生量が過去10年間で83万トン減少。ニーズが増えたとて、発生が増えるわけではない。その結果、石炭代替需要などの要請もあって、セクター間で限られたものを奪い合う構図が生じつつある。今後、掘り起こしの可能性があるのは、家庭系の廃プラだ。容リプラ・製品プラは単純焼却量もまだ多く、中間処理の委託業務は、自治体との随意契約により安定した量が見込まれる。こうした一廃分野に商機を見い出し、産廃業者の中から新規参入するケースが各地で出始めている。
2025年12月01日【中華系リサイクラー4社に聞く】中国の廃プラ輸入禁止を経て、事業方針を転換日本で拓くプラスチックリサイクルの可能性
2025年12月01日【岡田商事】家電由来のMIXプラを月間2,000t受け入れペレット化独自の高度選別技術を磨き、大半を中国へ安定輸出
2025年11月24日【萩原工業】リサイクルプラスチックの粘度を均一化する技術を開発三井化学と連携し、設備の製造・販売を開始
2025年12月01日【廃プラ・再生製品の輸出入動向】アジア輸入規制がもたらす今後の国際循環と対応策
2025年01月14日【プラニック】 ヴェオリアが昨年12月に撤退し、豊田通商が株式承継本格稼働からわずか2年、採算や品質改善でもハードル
2025年12月01日 コラム
改正資源有効利用促進法(資源化法)で自主目標と定期報告の対象となるプラスチックは、自動車・家電・容器包装の3品[...]
2025年11月25日 コラム
去る11月6日、(一社)日本RPF工業会が開催する「第9回 安全大会」を取材した。RPF製造工場で起こりがちな[...]
2025年11月03日 コラム
慢性的な人材不足に陥っている現在の日本。業界内で言っても、特に中間処理施設をはじめとするリサイクル企業は、3K[...]
2025年10月27日 コラム
来年度の容リ入札制度の見直し方針が示された。検討会は計2回開かれ、安定枠の廃止や上限価格の適正化など、概ね材料[...]