㈱オガワエコノス(本社:広島県府中市、小川勲代表取締役)は3月26日、㈱アールプラスジャパンに資本参加したと発表した。アールプラスジャパンは、2020年4月に設立され、ケミカルリサイクルの社会実装に向けた検討を進めている。現在、40社超の会員企業が参画し、バリューチェーンを支える各分野の企業で構成されている。廃プラの「選別・前処理」の分野では、J&T環境㈱、三友プラントサービス㈱に続いて3番目となった。
オガワエコノスは、広島県府中市に本拠を構える廃棄物処理事業者。し尿処理が祖業で、現在は鵜飼工場、本山工場、福山工場、サーキュラーエコノミー福山、岡山工場、仙台工場の計6工場を運営する。2002年から本格的に固形燃料RPFの製造に乗り出しており、2023年3月には年間6万トンの処理能力を有する国内最大級の「サーキュラーエコノミー福山」を竣工し、稼働させた。同施設は、塩素濃度が1%以上と高いCグレードのRPFを製造・供給したり、将来的なマテリアル・ケミカルリサイクル向けも視野に入れて、原料の加工が可能な施設となっている。
また、バイナリー発電用の焼却施設も手掛け、子会社であるダイイチ企業で解体工事や建設系廃棄物のリサイクルも強化しており、グループの売上規模は約50億円としていた(2022年実績)。2019年には、日本経済団体連合会(通称「経団連」)にも加盟した。大手企業が多く属する経済団体で約1500社が名を連ねるが、資本金などの複数の条件をクリアしなければならない。中小企業は数限られる中、循環型社会を担う静脈産業の企業の加盟も目立ち始めていた。
アールプラスジャパンは、米アネロテック社の廃プラ処理技術を日本に導入し、ケミカルリサイクルによるプラスチック循環を実現しようという試みを進めている。参画する各企業が排出した廃プラなどを、再び容器や素材などとして循環し、商品化できることへの期待が大きい。使用済みPETボトルは、すでに資源循環が確立されているので、それ以外の廃プラを対象として、ケミカルリサイクルの技術で直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻す。
米アネロテックは、2008年設立で、ニューヨーク州パールリバーに本社・研究開発機能をもつバイオ化学ベンチャー企業。非食用の植物由来原料から石油精製品と同一性能を持つベンゼン・トルエン・キシレンを生成する技術を保有する。従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理できるため、CO2 排出量やエネルギー必要量の抑えながら、多くの廃プラを効率的に再生利用することができるとされる。
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