【エコ・ グループ】
福井高速運輸のエコ事業(静脈物流)として業容拡大
RPF・木質チップを月間1万トンずつ供給 FREE

エコ・クリーンの工場外観

 9月上旬、一般社団法人日本RPF工業会が企画する視察ツアーに参加させてもらい、福井のFKエコ・グループの2工場を訪問した。本業である物流事業の福井高速運輸のグループ会社で、RPF事業を手がけるエコ・クリーンと産廃の選別などを手掛けるエコシステムなどエコ事業として7社を展開している。同グループでは商社的取引を合わせて、バイオマスボイラー向けにRPFと木質チップを月間1万トンずつ供給している。

 訪問した2つの工場は同じ敷地内にある。㈱エコシステムは受け入れた産廃の選別事業を手がけ、㈱エコ・クリーンはRPFの製造事業というようにグループ子会社で分業体制をとる。ちなみに両社とも福井高速運輸㈱が株式100%保有する子会社で、社長も同じ加藤信孝氏が務める。ちなみに福井高速運輸は1984年に創業し、福井を拠点に約500台超の車両を擁する物流会社の雄である。

 創業者である加藤社長はかねて静脈物流に参入したいという構想を温めてきた。そこで2000年に共同出資により産廃の収集・運搬会社を設立。外部から招いた石谷吉昭氏を起用し、エコ事業に注力することになった。富士重工の中古設備を購入するなど思考錯誤を重ねたが、なかなか利益が出せずにいた。ようやく軌道に乗り始めたとき、パートナー会社による株の買い占めに遭って、撤退を余儀なくされたのだ。

 以来、独立独歩でやろうと決め100%独資のエコ・クリーンを設立。2005年から本格的にRPF生産を開始した。ちょうど2006年に大手製鉄会社による煤煙データ偽装の問題もあって、外部での産廃の受け入れニーズが高まっていた。自社でRPF原料の選別・加工を取り組もうと別会社のエコシステムも立ち上げた。さらに産廃の収集・運搬や解体からRPFの販売も自社で手がけ、それぞれ別の子会社として運営を開始。「FKエコ・グループ」として計7社で構成される体制を築いた。基本的に福井高速運輸の100%子会社であるが、エコ・クリーン・アイのみ神鋼商事が7.5%を出資するRPF製造会社である。また越前夢ファームは、農業を主体とする異色の子会社で、薬草の生産を手がけている。

繊維くずをRPF原料に

 さて、エコ・クリーンにおけるRPFの製造ラインをみていきたい。破砕ラインは2つ、成型機は3台備えている。成型機の1つはバックアップ用である。RPFは、廃プラと古紙をおおむね7:3で混ぜ合わせ成形するが、同工場の場合、古紙の代わりに繊維くずを多用する。福井は繊維産業が盛んな地域であり、繊維くずの発生が多い。同県内にある染色工場のマルサンアイから出た繊維くずも受け入れ、RPFに加工してから同工場のバイオマスボイラー向けに供給する地域内の循環システムも築いた。

 また廃プラは容リプラの残渣物も受け入れている。容リプラは指定保管施設で選別された後、マテリアルに向かなかったものだ。サーマルリサイクルを是としない容リプラも選別後は結局、およそ3割がこうしてサーマル利用されている。容リを使う特定事業者から約2500億円を集め、莫大な社会的コストをかけているものの、リサイクルは決して効率的とは言い難い。廃プラ問題がクローズアップされる中で、改めて見直される余地はあるだろう。

 エコ・クリーンでのRPFの生産量は月間3000トン。1日あたり約100トンを生産している。グループの神鋼商事が一部出資するエコ・クリーン・アイでは月間1000トンの生産量があるので、自社生産分は計4000トンである。他に他社から購入し、商社的に販売しているものも6000トンあり、月間計1万トンの扱い量がある。RPF事業は、産廃の継続的な受け入れが求められる一方、製紙会社などのRPF使用先の需要変動は先読みが難しい面もあり、同社のような商社機能が重宝されている。

 RPF製造工場の構内は、細かな工夫に目を剥いたが、設備がオーバースペックとなっている部分もあった。年月を経て、原料の性質や設備機能そのものが変化してきたからだ。例えば、①二次破砕機を使用していない、②構内に舞う粉塵が少ない、③乾式洗浄機や光学選別機も使用していないといった点である。①は一次破砕機の性能が格段に上がった。また破砕機と成型機の間で、原料を取り出しできるようになっており、仮に成形機にトラブルが生じても、破砕機だけを動かすことができる。②原料を投入するコンベアーは囲いを設けたことで粉塵が格段に減った。かねてより従業員が白衣を着て、業務に従事したいというリクエストもあったためだ。③乾式洗浄機は、容リプラを洗浄するために使用していた。以前はかなり汚れたものばかりだったが、品質が綺麗になって使用機会が減った。

 RPF製造工場で切り離せないのが防火対策。各地で火災が多発しているが、エコ・クリーンも例外ではなく、これまで3度遭遇しているという。こうした火災の経験も語ってもらえた。①一度目は完全なヒューマンエラー。溶接のとき、カバーを外して作業していたが、その火花が飛び散った。②成型機を逆転してそのままにしておいたところ、夜中に燃え出した。③破砕機の中で熱くなっていた鉄くずが、磁選機から落ちてそこにあったガスボンベなどに引火して一気に燃え移った。一概にRPFが発火して火災になることはほとんどないという。ほとんどがヒューマンエラーや他の理由からだという。今では成型機と破砕機の間でシャワーカーテンを設け、延焼を防ぐ防火設備も備えている。

 またエコシステムでは建廃系の木くずを受け入れ、破砕したものをバイオマス燃料向けのチップとしても販売。月間3000トンを生産・供給している。またチップもRPFと同様に7000トンを他社から買い付け、需要家に供給している。供給先は、中部から近畿、四国、中国の製紙メーカー、繊維メーカーなどで大規模なボイラーから中小規模のところもある。

有料サービスのご契約で、他のすべての記事も全文ご覧になれます。
まずはぜひ無料トライアルをご利用ください。

プラジャーナルセミナー2022お申し込み受付中

週間アクセスランキング

PJコラム »

Top