企業が再生プラスチックの使用コストを収支に折り込むとき、3つのパターンが考えられるだろう。①原材料費、②広告宣伝費あるいは販売促進費、③研究開発費(いわゆるR&D)である。それぞれ、何の目的があるのかと考えてみると、①はコスト削減のため、②はマーケティングのため、③は投資家のためである。いずれも“環境”が第一ではないことがポイントだ。では、どの目的が最も持続可能かと考えると、①のコスト要因ではないか。コストが下がれば、製品価格が下がって顧客満足度もあがるし、投資家も満足する。結果的にも環境負荷も減らせるわけだ。
一方、見せかけの環境主義のことを「グリーンウォッシュ」という。この観点からみると、②だと完全にグリーンウォッシュだし、③は将来的に成果が出るか出ないか不確定なので、判定が難しい。①は原料コストに組み込まれているという点で、本物の環境主義といえるのかも知れない。他の再生資源における伝統的なリサイクルをみると、コスト削減が最大のインセンティブだった。古紙を原料にすればバージンパルプを使うより安価であったし、鉄スクラップも鉄鉱石から鋼材を造るよりもコスト抑制に繋がった。
しかし、多岐にわたる用途、膨大な種類のプラスチック樹脂を本気でリサイクルしようとすれば、収集・選別コストが莫大にかかってくる。プラスチックをリサイクルする動機は、ある種の倫理感に支えられている。企業はEPR(拡大排出者責任)として、欧米では共通認識となっているものだ。高コストかつ倫理感が頼りという意味で、プラスチックはこれまでの再生資源のリサイクルとは異なる道を歩もうとしている。そんなにコストがかかるなら、初めから使用量を減らせばいい?!自ら食い扶持を削るわけにはいかないのが、業界のジレンマなのである。
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年10月21日【鹿島建設・萩原工業・J&T環境】現場分別の廃梱包PE材15%を樹脂繊維製品に建廃プラスチックの高度利用に新たな道筋
2024年10月21日【プラスチックサーキュラーエコノミー推進協会】一般社団法人の設立記念式典を開催材料リサイクルの再商品化事業者25社で
2024年10月16日【丸幸のRPF製造事業】再生可能エネルギーの自家発電&マルチな原料調達でRPFの付加価値向上、安定供給を目指す
2024年10月21日【SuPla(サスプラ)】会員企業が100社超え、一般社団法人に移行へ新制度「SPC認証」のパイロット版、年内にも始動
2024年10月15日 コラム
恥ずかしながら10月20日が「リサイクルの日」ということを知らなかった。「ひとまわり(10)、ふたまわり(20[...]
2024年10月07日 コラム
『東京23区と都が「家庭ゴミ有料化」検討』と、フジテレビ系のFNNプライムオンラインが報じたのが9月16日。そ[...]
2024年09月24日 コラム
近年の新卒就活者数は約45万人。しかし、せっかく多くのエネルギーを費やして就職したのに、入社3年以内に会社を辞[...]
2024年09月17日 コラム
9月も中旬だというのに、この暑さ。冷やした麦茶がいまだとてもおいしい。麦茶をやかんからピッチャーに移しかえなが[...]