
企業が再生プラスチックの使用コストを収支に折り込むとき、3つのパターンが考えられるだろう。①原材料費、②広告宣伝費あるいは販売促進費、③研究開発費(いわゆるR&D)である。それぞれ、何の目的があるのかと考えてみると、①はコスト削減のため、②はマーケティングのため、③は投資家のためである。いずれも“環境”が第一ではないことがポイントだ。では、どの目的が最も持続可能かと考えると、①のコスト要因ではないか。コストが下がれば、製品価格が下がって顧客満足度もあがるし、投資家も満足する。結果的にも環境負荷も減らせるわけだ。
一方、見せかけの環境主義のことを「グリーンウォッシュ」という。この観点からみると、②だと完全にグリーンウォッシュだし、③は将来的に成果が出るか出ないか不確定なので、判定が難しい。①は原料コストに組み込まれているという点で、本物の環境主義といえるのかも知れない。他の再生資源における伝統的なリサイクルをみると、コスト削減が最大のインセンティブだった。古紙を原料にすればバージンパルプを使うより安価であったし、鉄スクラップも鉄鉱石から鋼材を造るよりもコスト抑制に繋がった。
しかし、多岐にわたる用途、膨大な種類のプラスチック樹脂を本気でリサイクルしようとすれば、収集・選別コストが莫大にかかってくる。プラスチックをリサイクルする動機は、ある種の倫理感に支えられている。企業はEPR(拡大排出者責任)として、欧米では共通認識となっているものだ。高コストかつ倫理感が頼りという意味で、プラスチックはこれまでの再生資源のリサイクルとは異なる道を歩もうとしている。そんなにコストがかかるなら、初めから使用量を減らせばいい?!自ら食い扶持を削るわけにはいかないのが、業界のジレンマなのである。
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2026年05月20日 コラム
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