
「Plastic Love」という1984年にリリースされた竹内まりやの代表曲がある。愛に傷ついたために、毎夜不毛な遊びに興じる退廃的な女性の心情を歌ったものだ。歌詞の内容から、プラスチックというタイトルを付けた意味を考えると、「粗製乱造の」とか「ニセモノだがある種の欲求を埋めるもの」というニュアンスが浮かび上がってくる。
他の楽曲を探してみても、山崎まさよし「Plastic Soul」、平井堅「ポリエステルの女」とか意外にプラスチック素材が使われていることが多い。商業ベースが前提となっているポップソングと大量消費されるプラスチックは、親和性が高いのかも知れない。他の再生資源をお目にかかることはないからだ。「鉄スクラップの恋」だと重過ぎるし、「古紙に出したラブレター」なんてのも褒められた感じがしてしっくりこない。
プラスチックの語源はギリシャ語の「plastikos(塑造の)」に由来する。合成して形も変幻自由で、大量に製造できることが特徴として名づけられたわけだが、その反面、想像以上に手がかかっているのがリサイクル循環の方法だ。集めるにも嵩張り、丁寧な分別が必要だが、再生しても強度や色は劣ってしまう。再生品については粗製乱造できないことがネックなのだ。「Plastic Love」は、多くのミュージシャンがカバーするなど今なお人気を誇っている。曲のアレンジを手掛けた山下達郎は「時代の試練に耐える音楽」がモットー。ひとつひとつのプラスチック製品もつくる段階からかくありたいものだ。
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