
「毎度おなじみのチリ紙交換車でございます」。現在ではほとんど見なくなったチリ紙交換は、1965年頃(昭和40年頃)から現れたと言われている。70年代~80年代の2度のオイルショックにより古紙価格は急騰。1974年3月の新聞古紙価格=56円/kgは未だに破られていない。当時の物価と現在の物価の差は約4倍であり、現在の価格では220円/kgほどになる。その頃は古紙の争奪戦となり、至るところでチリ紙交換車が走り回っていた。その後次第に姿を消していったが、単に流しの車が減っただけで、集団回収や行政回収品を扱う回収業者や、ヤードを持つ古紙問屋に業態転換した業者は多い。
▼ちなみに鉄スクラップ価格が近年高騰したのは、リーマンショック前の2008年6月で、70.5円/kgまで上昇した。また昨年4月には、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー不足と資源高騰により、66.5円/kgまで上昇した。地域性もあるが、関西では鉄スクラップが高くなると、流しの不用品回収車が増える。以前までは中国人が多かったが、最近は日本人もよく見かける。
▼昨年下半期の容リ協会のPETボトル平均落札価格は、115円/kgという史上空前の高値となった。各飲料メーカーによるBtoB需要の増大によって、リサイクラー間の奪い合いが過熱したわけだ。そこで私が考えたのが、「毎度おなじみではないですが、段ボールとPETボトル回収車でございます」(笑)。パッカー車で住宅街や集合住宅を周り、不用になった段ボールとPETボトルを集めていく。車に乗らない高齢者は、ネットやウーバーで食料品や飲食物を頼めるが、不用になった資源物を持って行く手段がない。
▼特に段ボールとPETボトルはどんどん溜まっていくし、室内でかさばるので場所を取る。新聞・雑誌の需要は激減しているが、段ボールとPETボトルの消費量は年々増えている。欧州では内部が2層に分かれたパッカー車も多く走っており、この2層式パッカー車で段ボールとPETボトルを回収するのが効率的だとも聞いた。数年後にはこんな事業が拡がっているかもしれない?!(※家庭から排出されるPETボトルは基本的に一般廃棄物扱いなので、例えば20本でゴミ袋と交換する等の方法で、有価物扱いにすれば可能だろう)
2025年12月01日【中華系リサイクラー4社に聞く】中国の廃プラ輸入禁止を経て、事業方針を転換日本で拓くプラスチックリサイクルの可能性
2025年12月01日【岡田商事】家電由来のMIXプラを月間2,000t受け入れペレット化独自の高度選別技術を磨き、大半を中国へ安定輸出
2025年11月24日【萩原工業】リサイクルプラスチックの粘度を均一化する技術を開発三井化学と連携し、設備の製造・販売を開始
2025年12月01日【廃プラ・再生製品の輸出入動向】アジア輸入規制がもたらす今後の国際循環と対応策
2025年01月14日【プラニック】 ヴェオリアが昨年12月に撤退し、豊田通商が株式承継本格稼働からわずか2年、採算や品質改善でもハードル
2025年12月01日 コラム
改正資源有効利用促進法(資源化法)で自主目標と定期報告の対象となるプラスチックは、自動車・家電・容器包装の3品[...]
2025年11月25日 コラム
去る11月6日、(一社)日本RPF工業会が開催する「第9回 安全大会」を取材した。RPF製造工場で起こりがちな[...]
2025年11月03日 コラム
慢性的な人材不足に陥っている現在の日本。業界内で言っても、特に中間処理施設をはじめとするリサイクル企業は、3K[...]
2025年10月27日 コラム
来年度の容リ入札制度の見直し方針が示された。検討会は計2回開かれ、安定枠の廃止や上限価格の適正化など、概ね材料[...]