
再資源化事業等高度化法が5月22日、参議院で可決され成立した。同法案は中央環境審議会の小委員会での議論を経て、環境省が今国会に提出し、4月16日に衆議院を通過していた。6月中にも公布され、2025年11月までに本格施行される見通し。循環経済への移行が国家戦略に位置づけられる中、再資源化事業がより高度に実施される措置を設けて、再生材が製造事業者へ供給される体制をつくる。具体的には①年間1万トン以上(検討中)の処理業者に報告義務、②判断基準(ガイドライン)に基づく指導と助言、③3類型の認定制度により許認可の免除が、既存の廃棄物業界にとってはインパクトを与えそうだ。衆参両議院の審議や付帯決議を通じてみえてきた同法による影響と課題を整理した。
同法の正式名称は「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」。まず法の目的としては、温室効果ガスの排出削減するため、再資源化の高度化を図ることとなっており、気候変動への対応が念頭にある。ちなみに、廃棄物処分における温室効果ガス排出量の全体に占める割合は2.8%に過ぎない。だが、脱炭素社会の実現に向けて、同法を通じて廃棄物業界でも貢献しなければならないという強い意思を示したものだといえる。
同法において再資源化とは、製品の原材料の一部または全部に使われることを意味する。それを高度化していくというのは、なるべく資源を循環させて、新たな資源投入量を減らし、資源効率を高めていく方向を目指すということである。
ちなみに、従来の廃棄物処理法との違いは、廃棄物処理法は廃棄物の排出抑制や適正処理等により、生活環境の保全および公衆衛生の向上を図ることが目的だったものの、温室効果ガスの排出削減や再資源化の高度化といった点は含めておらず、これらをカバーするのが再資源化事業等高度化法だというわけだ。
同法において、既存の産廃処理業者にもっともインパクトが大きいと思われるのが、「再資源化の実施の状況の報告等」(第38条~第40条)の規定だ。
特に報告義務が課される「特定産業廃棄物処分業者」は、①産業廃棄物の種類、②処分方法、③処分量、④そのうち再資源化を実施した数量を毎年度報告しなければいけない。例えば、廃プラ1000トンを破砕処理によって中間処理した場合、そのうち600トンを再資源化に回したといった内容である。

…
この記事は有料会員記事です
▼残りの80%を読むには、会員登録が必要です▼
この記事は有料サービスをご契約の方がご覧になれます。
契約されている方は、下記からログインを、
契約されていない方は1か月の無料トライアルからお試しいただけます。
2026年04月27日【独占インタビュー】野添産業・野添社長×オリックス・篠崎担当部長M&Aの舞台裏、ストレッチフィルム再生の雄に聞く
2026年04月06日【指定ごみ袋】 中東緊迫で自治体指定ごみ袋の供給に不透明感 韓国で買い占め騒動発生、日本にも波及懸念
2026年04月22日【2026年4月のPETボトル市況】家庭系と事業系で明暗、バージン高騰で再生品に割安感自販機縮小も店頭回収品の増加で、事業系PETを底上げ
2026年04月27日【中央倉庫】内外からのPET樹脂の物流事業でトップシェアPETリサイクル需要の拡大捉え、ノウハウ蓄積
2026年03月16日【2026年3月のPETボトル市況】中東危機がPET樹脂市況を揺さぶるバージン樹脂高騰、再生材需給にも影響か
2026年04月22日 コラム
今年もプロ野球開幕の季節がやってきた。私事にはなるが、長年にわたり家族そろってのスワローズファンであり、シーズ[...]
2026年03月30日 コラム
今月から「キラリ環境ベンチャー100選」という新連載をスタートした。環境・リサイクル業界で存在感を高めているベ[...]
2026年03月09日 コラム
年初のベネズエラへの強硬対応に続き、3月にはイランに対する軍事作戦が行われるなど、米国の唐突とも映る判断に世界[...]
2026年02月18日 コラム
かつては遠い未来の技術に感じられたAIも、今ではスマホの検索アシスタントはもちろん、SNSのレコメンド機能や、[...]