2023年5月29日 PJコラム 

【コラム】どう変わる?ミネラルウォーターの常識

PJコラム

 清涼飲料容器の主力がPETボトルに変わったのは2000年以降のことである。子供の頃は、駄菓子屋で買ったびんを返却すると5円もしくは10円戻ってくるリターナブルびんがあった。また250mlの細長いスチール缶も普及していたが、プルトップ式のふたが至るところにごみで捨てられて、社会問題となっていた。

▼PETボトルは1997年から容リ法の対象となったが、普及が進んだのはこの前後である。以前は1.5リットルや2リットルの大容量のPETボトルはあったが、小型容器は缶とビンが主力。容リ法の制定が決まったことでごみ化の問題が解消され、前年の96年から小型PETボトルの生産・流通が認められた。

▼容リ法開始時の97年のPETボトルの生産量は22万トンで回収量は2万トン、回収率はわずか9.8%だった。これが02年は生産量が41万トンと約2倍に増加し、回収量は19万トンで8.5倍となった。07年には生産量が57万トン、回収量は40万トンとなり、回収率は約70%に上昇した。

▼また以前までは、飲料水を買うということがなかった。当時は水飲み場が学校や駅、公共施設、商業施設等に設けられていたこともあり、水はタダというのが一般常識だった。ミネラルウォーターが普及したのは、1983年に販売された六甲のおいしい水(ハウス食品)が先駆け。そして1987年からはフランスのエビアンが日本で販売されるようになり、徐々にミネラルウォーターの消費量が増えていった。2022年の日本人のミネラルウォーターの1人当り年間消費量は38リットルで、05年比で2.7倍に増加している。

▼常識は時代によって変化していく。水はタダの時代から、現在は飲料水を購入するように変化したように、10年後には料理の水やお風呂の水を全て購入する時代が来てもおかしくない。実際にイタリアやスペインでは、ミネラルウォーターの1人当り消費量は日本の6~7倍である。水道事情が良くないことから、前述のように料理用やお風呂用として購入しているのだという。

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