2023年5月22日 PJコラム 

【コラム】
アフターコロナにみるアクリル板の大量廃棄問題

PJコラム

 アフターコロナのアクリル板廃棄ラッシュに、リサイクルの対応は素早かったように思う。動きとしては3つあった。①三菱ケミカルは2021年6月よりマイクロ波化学と実証実験を開始、②住友化学もケミカルリサイクル実証設備を愛媛工場(愛媛県新居浜市)を着工し、今秋にも稼働させる、③緑川化成工業は販売事業者としてプラ新法の「自主回収・再資源化事業計画」で認定を受けた。産廃業者には、オフィスや飲食店など排出元から相談・問い合わせが増えているといい、一時的ブームに終わらないリサイクルルートの構築が望まれている。

▼三菱ケミカルによると、世界のPPM(アクリル樹脂の原料)の市場は400万トンにも上るといい。需要は伸びており、日本でも20万トン前後に上るとみられる。使用後はまとまった量であれば、5~10円/kgほどで有価買取されるケースもある(物流経費は除く)。中間処理工場で選別・破砕して、60~70円前後で売却され、再びアクリル原料で使われることが一般的だったが、上記のように廃棄ラッシュを見越して、回収ルートやリサイクルの幅も拡がりつつある。

▼アクリル板は透過性、強度が高いだけでなく、リサイクル性にも優れる。住友化学による手法では、「透明性や強度などの基本物性は同水準を維持した上で、製品ライフサイクル全体の温室効果ガス(GHG)排出量を60%以上削減できる」という。リユースやリサイクルを前提とした製品開発が求められるとはいえ、突発的な出来事では、廃棄まで見越した製品設計が難しい。だが、事後対応であっても、各社が最新技術や経験を結集しながらリサイクルする体制が築かれ、今後の太陽光パネルといった他の品目のリサイクルでも活かされるのではないか。

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