アフターコロナのアクリル板廃棄ラッシュに、リサイクルの対応は素早かったように思う。動きとしては3つあった。①三菱ケミカルは2021年6月よりマイクロ波化学と実証実験を開始、②住友化学もケミカルリサイクル実証設備を愛媛工場(愛媛県新居浜市)を着工し、今秋にも稼働させる、③緑川化成工業は販売事業者としてプラ新法の「自主回収・再資源化事業計画」で認定を受けた。産廃業者には、オフィスや飲食店など排出元から相談・問い合わせが増えているといい、一時的ブームに終わらないリサイクルルートの構築が望まれている。
▼三菱ケミカルによると、世界のPPM(アクリル樹脂の原料)の市場は400万トンにも上るといい。需要は伸びており、日本でも20万トン前後に上るとみられる。使用後はまとまった量であれば、5~10円/kgほどで有価買取されるケースもある(物流経費は除く)。中間処理工場で選別・破砕して、60~70円前後で売却され、再びアクリル原料で使われることが一般的だったが、上記のように廃棄ラッシュを見越して、回収ルートやリサイクルの幅も拡がりつつある。
▼アクリル板は透過性、強度が高いだけでなく、リサイクル性にも優れる。住友化学による手法では、「透明性や強度などの基本物性は同水準を維持した上で、製品ライフサイクル全体の温室効果ガス(GHG)排出量を60%以上削減できる」という。リユースやリサイクルを前提とした製品開発が求められるとはいえ、突発的な出来事では、廃棄まで見越した製品設計が難しい。だが、事後対応であっても、各社が最新技術や経験を結集しながらリサイクルする体制が築かれ、今後の太陽光パネルといった他の品目のリサイクルでも活かされるのではないか。
2023年05月29日【ケミカルリサイクル】
2023年に4つのプロジェクトが始動予定
アールプラスジャパンは参画企業40社に
2022年08月30日【容リ下期速報】
PETボトルの落札平均価格が115円/kgに
バージン市況軟化の中、過去最高値を更新 FREE
2023年05月24日【全国容器循環協議会】
飲料容器等の中間処理業者ら
29社が加盟し、全国組織化へ
2023年05月22日【東京23区】
足立区が2024年度よりモデル地区で一括回収へ
板橋区も同年から全域実施、残すは世田谷区のみに
2023年05月17日【SuMPOと4社】
プラスチックのリサイクラーらが連携協定
日本版の再生プラの認定・認証制度を模索
2023年05月29日 コラム
清涼飲料容器の主力がPETボトルに変わったのは2000年以降のことである。子供の頃は、駄菓子屋で買ったびんを返[...]
2023年05月22日 コラム
アフターコロナのアクリル板廃棄ラッシュに、リサイクルの対応は素早かったように思う。動きとしては3つあった。①三[...]
2023年04月25日 コラム
「鎌倉の大仏」と「太陽の塔」に共通する点といえばご存じだろうか?! 正解は、意外なところにプラスチックが使われ[...]
2023年04月17日 コラム
「ディープピンク」、和名で言うと「躑躅(つつじ)色」というのか、派手な色の自転車に乗っている。数年前その自転車[...]