10月に公正取引委員会がPETボトルリサイクルに関する報告書を公表した。問題視したのは容リ協の働きかけと全清飲の合意だったが、その発端は飲料メーカーによるボトルtoボトルリサイクルの高い目標設定で、廃PETボトルの仕入れ競争が激化したことにあるのは間違いない。だが、いずれはPETボトルのBtoBリサイクルが一般的となり、飲料メーカーの競争領域でなくなるのではないか。つまり飲料メーカーにとってPETボトルの環境対応は当たり前のことであり、差別化要因にならなくなるのだ。
▼ただ、気になるのは、各飲料メーカーが「再生PETボトルを〇%使用」と主張している数字を客観的に証明する仕組みがないことである。化学的にPETボトルを解析したところで、そのPETボトルが再生材かバージン材か判定することが難しい。飲料メーカーがリサイクル事業者の報告を通じて、再生材の数量を把握しているだけである。例えば、再生材が不足したとき、バージン材よりも高値が付いたとき、あるいは業績不振に見舞われたとき、原料をすり替えるモラルハザードが起きないとは言い切れない。
▼過去に教訓はある。同じ再生資源である古紙は、製紙業界での配合率偽装問題が2008年に発覚した。表記された配合率を下回る水準しか古紙を使っておらず、その紙製品を供給していたのだ。こうした慣習が17社もの製紙メーカーで横行。これを機に業界で配合率検証制度を設けて、第三者機関に確認作業を依頼する仕組みをつくった。また総額10億円を捻出し、啓発活動にもあてた。いわば懺悔の償い金である。発覚のきっかけだった年賀状はがきは、当時の発行部数に比べて今や3分の1にまで縮小。SNS普及の影響も大きいが、消費者の信頼失墜の代償は大きい。
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