
今年6月にカンボジアを訪れた。6日間の視察日程で、首都・プノンペンと古都・シェムリアップを訪問し、カンボジアの表と裏を垣間見た。表の部分は、カンボジアを代表する観光地のアンコールワット遺跡群である。元々は9世紀に建国したクメール帝国(アンコール朝)の王都があり、その後12世紀に隣接地に新王宮を建設したが、その鎮護のために広大な場所にヒンドゥー教寺院を多数建設したものがアンコールワットである。特に朝焼けに浮かび上がる遺跡が幻想的で美しい。
▼一方、裏の顔はごみ山だった。東南アジアや途上国のごみ処理と言えば、オープンダンプとも呼ばれる、そのまま投棄する方法である。燃えるごみや資源物、危険ごみという分別意識もなければルールもない。人々の共通認識としてあるのは、「売れるもの」と「売れないもの」である。地方都市のシェムリアップの郊外にあるアンルンピー村は、人口わずか1000人のうち、ごみ山で生計を立てている人が200~300人いるという。この中には多数の子供も含まれている。
▼「売れるもの」の代表格は鉄と非鉄で、ウエストピッカーが拾う最も高価な物は電線であった。これがキロ1100円。次いでアルミ缶が275円、鉄製品が43円、缶詰の缶が20円、スプレー缶が14円。そして鉄・非鉄の次に高価な物はプラスチック製品だった。PETボトルは鉄製品と同じでキロ43円、プラ容器が16円、プラ袋が6.7円。PETボトル・プラ製容器・プラ製袋といった廃プラ類はいずれも日本よりも高い。ごみの中に埋もれていたので品質的には最悪であるが、高価な資源物として取引されていた。
2025年12月08日【容リ協ルートの入札制度】2026年度の入札方法を一部変更 事業者の落札可能量の活用最大化へ
2025年12月08日【展示会現地レポート】「第5回サスマ展」にみるX to Car技術の最新動向自動車部品向けリサイクル加速、各講演でも注目テーマに
2025年12月08日【(一財)家電製品協会】家電リサイクル法施行から25周年を祝す家電業界関係者、政府など200人が参加
2025年12月08日【2025年10月の廃プラ輸出統計】量は前年同月比で25%減、円安受け平均単価値上がりPVCやPETフレークは大きく上昇、他の品種は下落
2025年12月08日【日本PETボトルリサイクル推進協議会】PETボトルリサイクルの動向をまとめた年次報告書公表ボトルtoボトル比率が37.7%に上昇も各社で濃淡生じる
2025年12月01日 コラム
改正資源有効利用促進法(資源化法)で自主目標と定期報告の対象となるプラスチックは、自動車・家電・容器包装の3品[...]
2025年11月25日 コラム
去る11月6日、(一社)日本RPF工業会が開催する「第9回 安全大会」を取材した。RPF製造工場で起こりがちな[...]
2025年11月03日 コラム
慢性的な人材不足に陥っている現在の日本。業界内で言っても、特に中間処理施設をはじめとするリサイクル企業は、3K[...]
2025年10月27日 コラム
来年度の容リ入札制度の見直し方針が示された。検討会は計2回開かれ、安定枠の廃止や上限価格の適正化など、概ね材料[...]