
年末からたまたま読み始めた本の1冊が「奇跡の生還へ導く人―極限状況の『サードマン現象』(ジョン・ガイガー著)」だった。遭難や事故、災害といった過酷な状況から生還した人々が証言しているのが、「サードマン」と呼ばれる実体のない案内人の存在だった。著者はこれらを神秘的現象と片づけず、多くの研究者の資料などにあたって、単調さや喪失感によるストレス、低温や低酸素などといった内的・外的要因を探る。結論的には、極限下での脳が生み出した知覚現象なのだが、それでも生還に導いた潜在能力への謎は残る。
▼正月からたて続けに北陸地震、飛行機事故が発生し、多数の人が生死と紙一重だった状況を過ごしたことは想像に難くない。普段からの想定や備え、訓練がいかに重要かを改めて思い知る。同時に危機的な状況から救われた人々がいる奇跡に驚かずにはいられない。先述の書は「乗り越えられそうにない障害を克服し、生還するためのカギは、まず、目の前の恐ろしい状況にどうにかして打ち勝てる、自分は生き延びるというシンプルな信念を持つことである」と諭す。
▼命が懸かった状況と同一線上には語れないが、プラスチックのリサイクル事業もこれまで死の淵とともに歩んできた。マテリアルリサイクルはバージン原料の価格変動の波にのまれ、ケミカルリサイクルは技術的な蓄積が乏しく、巨額投資が要るスケールアップにも壁が立ちはだかった。幾多のプロジェクトが撤退を余儀なくされたが、再び法制度や補助金が後押しし、新たなプラスチックのリサイクル事業が勃興期を迎えている。事業主体へサードマン的な存在となりえるか、専門媒体としても身の引き締まる思いである。
2026年06月10日【プラ循環協とリサイクラー6社】
環境省の自動車向け再生プラFS事業に採択
競争から協調へ、コンパウンド能力は年間6万~8万tに
2024年01月26日【シタラ興産】
埼玉で一廃・産廃焼却施設に122億円投資
2027年に稼働予定、年間1万5000MWの発電も
2023年12月22日【大瀧商店】
未利用の廃プラ原料活かし、製鋼副資材を開発
鉄鋼向けのフォーミング抑制剤・加炭材でニーズ開拓
2025年01月14日【プラニック】
ヴェオリアが昨年12月に撤退し、豊田通商が株式承継
本格稼働からわずか2年、採算や品質改善でもハードル
2026年06月05日【独自調査】
プラ一括回収に取り組む自治体の現在地、
32条・33条ルートの実態比較
2026年06月10日 コラム
自治体の指定ごみ袋が品薄となって、市販の無色または半透明のごみ袋での排出を認める自治体が増えているという。指定[...]
2026年05月27日 コラム
「積んプラ」を目を細めて眺める息子。買い集めたまま箱を開けずに積み上げられた未組立のプラモデルのことで、少しず[...]
2026年05月20日 コラム
家人の急病により、代わりに畑を耕さなければならなくなった。競争率約3倍の抽選で借りた市民農園の区画である。全く[...]
2026年04月30日 コラム
環境省の職員数は約3,000人。中央官庁も人手不足で、いわゆる「プロパー職員」は全体の3分の1。残るは地方自治[...]