株式会社佐久間の創業者であり会長の佐久間浩氏が、今年1月に76歳で逝去した。氏は「人がいやがることをして、社会に貢献したい」と一年発起し、1976年にトラック一台で古紙回収業を創業。オイルショックで得た利益を原資に古紙ヤードを設けて業容拡大するなど、千葉有数の総合リサイクル企業に育て上げた。老舗の古紙問屋が競合する中、後発だったこともあり「人まねはしない」と事業でも独自性を追求。それが行政委託事業だった。
▼行政委託事業とは、容器包装プラスチックやPETボトルといった生活系一般廃棄物を中間処理施設で資源物に再生して、行政に引き渡すというもの。民間資本が破袋・選別・圧縮といった中間処理過程のインフラを行政に提供するというビジネスモデルだった。行政が自前で建てると財政負担が大きいため、民間が設けたリサイクル施設が長期にわたって資源化業務を受託する。その契約に建設費の利息を乗せることで、両者にメリットが生まれるというわけだ。
▼いまでは容リ法の施行により広く普及した手法であるが、90年代当時では斬新で同社の木更津リサイクルセンターが全国初の事例だった。千葉県下で同様の拠点を増やし、県外の東京都町田市とも契約を結んだものの、市民の反対運動にあって頓挫。地域を越えて委託事業を広げる難しさも浮き彫りにした。改めて、プラ新法の施行により一括回収した容リプラ・製品プラの受け皿が各地で求められている。同社の軌跡に学ぶところは多い。
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