「おい、のび太!そのPETボトルをよこせ」。大手飲料メーカーが2030年までの再生ボトル等の目標値を掲げ、自らPETボトルを確保し出したのは、ジャイアンさながらの姿だったのではないか。容リ法施行から20年超を経て、PETボトルのリサイクル率は80%以上を達成。PETリサイクルの基盤づくりのため、自治体や中小のリサイクル事業者が尽力してきた。そんな中、BtoBリサイクルを押し進めるべく、後乗りしてきたのだった。今回「ドラえもーん、助けて」とばかりに出てきたのが、公正取引委員会だ。
▼大手企業がイニシアチブを取ったほうが、リサイクルが安定し、機能することもある。だが、飲料メーカー各社が100%再生原料等への切り替えを目指せば、廃PETボトルが足りなくなるのは火をみるより明らかだ。飲料品の販売シェア争いと違って、再生資源の掘り起こしには限りがある。その過程で、契約において不利な条件を突き付けられなかったのか、他の事業者にとっても公平な競争の機会を与えられていたのか。公取委の調査では、こうした実態を詳らかにして頂きたい。
▼ブランドオーナーがどこまで廃棄された後のリサイクル手法に介入できるか、という観点からも注目される。再生プラの循環システムを築くため、各分野で廃プラ原料の確保が死活問題だ。現在、6割を占めるサーマルリサイクルから廃プラをマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルへ振り向けるには、ブランドオーナーの意志が推進力となる。ただ、リサイクルは多様な主体の働き掛けや長い期間の積み重ねによって成り立っている。そこへの配慮を欠けば、欺瞞となる危うさも抱えている。
2022年08月30日【容リ下期速報】
PETボトルの落札平均価格が115円/kgに
バージン市況軟化の中、過去最高値を更新 FREE
2023年02月28日【容リルート入札結果速報】
PETボトルはバージン安で、半値近くまで下落
初の一括回収のプラスチック入札は処理費上昇 FREE
2023年01月10日【スペイン】
英国に続きプラスチック税導入、EU加盟国では初
0.45ユーロ/kg課税、再生プラ市況への影響は?
2023年02月13日【PETボトル】
公取委が廃PETボトルの実態調査に乗り出す
大手飲料メーカーによるBtoB契約の手法が焦点か
2023年03月27日【日本プラスチック工業連盟】
22年プラスチック原材料生産・製品販売ともに減少
コロナ禍が響いた20年比も下回り、脱プラが加速か
2023年03月27日 コラム
「明日は国際女性デーだなぁ」と何気なく頭に思い浮かべつつ、その日、取材に向かった先は世界40ヵ国・地域に営業展[...]
2023年03月20日 コラム
3月13日以降、マスク着用が個人の判断に委ねられることになったが、街中や電車の車内、飛行機でもまだまだノーマス[...]
2023年03月13日 コラム
音楽鑑賞・ライブ観賞・楽器演奏がライフワークになっている。コロナ禍で最も残念だったのはライブに行けないことだっ[...]
2023年03月06日 コラム
産業系の廃プラでは未だリサイクルが手付かずのものも少なくない。その1つが建廃系の廃プラだろう。一般社団法人日本[...]