広島県の自動車関連工場で技能実習生として数年働いた中国人の彼は、母国に帰った後、努力して日本語をさらに磨き、再び来日して首都圏に日本語学校をつくった。妻子と共に日本に住み、中国と日本の架け橋となるべく日本語教育に情熱を注いでいる。彼が日本で事業を始めようと思ったのには、広島で世話になった元上司の影響が少なくない。20年近く経った今でも連絡を取り合い、時に顔を合わせる。彼にとって日本は第二の故郷だそうだ。
▼厚労省の発表によると、去年10月時点で外国人労働者数は182万2725人で、2007年以降で過去最高を更新した。国籍別でみるとベトナムが最も多くおよそ46万人で外国人労働者数全体の25%を占める。次いで中国(21%)、フィリピン(11%)である。在留資格別での「技能実習」は34万3254人。新型コロナの影響があってか2年連続で減少した。技能実習資格でもベトナムは最多で、数にして18万人以上と全体の5割を上回るほどである。
▼プラスチックリサイクル分野でもRPF製造業者が外国人技能実習生を受け入れている。(一社)日本RPF工業会は2021年に厚労省の認定を受け「RPF製造」職種の技能実習評価試験を行っており、先月、初級試験で合格者を出した。技能実習制度には、心無い受入業者による劣悪な待遇などでの暗い話題もあるが、日本で技術や語学を身に付け、それを生かして生活を向上させている外国人は少なくない。資源循環に寄与するRPF製造業から、日本のプラスチックリサイクル事情を理解し、貢献してくれる外国人人材が数多く育つことを期待する。
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