日本におけるプラスチックのマテリアルリサイクル率は僅か21%。この低さの理由の一つに、製造メーカーの品質要求の高さが指摘されている。日本のメーカーの姿勢は、冷蔵庫に残った食材で作った家庭料理でいいものを、いつも高級食材を使って懐石料理を作ろうとしているなどとも形容される。再生プラスチックは品質に由来する強度などの振れ幅をある程度許容していかない限り、今後もリサイクル量は伸びていかないだろう。
▼プラスチック資源循環戦略では、2030年までに再生利用を倍増させ、2035年までにすべての使い捨てプラをリユース・リサイクルする目標を掲げた。民間企業では、例えば花王が2050年のごみネガティブに向けたロードマップの中で、2030年までにプラスチック再資源化率50%を目指すことを示した(2022年実績は3%だった)。PETボトルの先行例にみるように、大手企業のコミットメント公表は着実な成果が期待できるだろう。一方で、あらゆる企業の面的な取り組みに広げるためには、いずれ規制的な手法も議論の俎上にあがってくる。
▼家庭から排出されるプラ製の衣装ケースや小物収納ケースなどの製品。プラ新法ではこれら製品プラを従来の容リプラと一括回収できるスキームを設けた。だが、製品プラ分のリサイクル費用(実質は処理費)は、なぜか自治体負担。ホームセンターや100円均一といった業種は、好きなだけプラ製品を売って、リサイクル費用は素知らぬ顔を決め込めるようになっている。自治体はプラ類の分別収集や中間処理のコストだけでも重いが、製品プラを集めるほど処理費の増加にも苦しむことになる。こうした廉価なプラ製品こそ、再生プラの配合率を義務づけたり、リサイクル費用を徴収していくべきではないだろうか?
2024年07月22日【プラ再生材利用の義務化】 中間とりまとめ案がパブコメ中、8月半ばまで行動変容につながる大手企業の自主目標設定に期待
2024年07月22日【プラスチックサーキュラーエコノミー推進協会】材料リサイクルの再商品化事業者22社が立ち上げ入札上限価格の見直しなど、政府へ要望書提出へ
2024年07月22日【SusPla(サスプラ)】再生プラの利用拡大に向け、認証制度創設へトヨタ自動車などの動脈企業も多数入会
2022年12月19日【エビス紙料】3月に愛媛工場開設、3工場でRPFを月間3600トン製造サーマルとマテリアルで資源化、海洋ごみも原料化に
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年07月22日 コラム
今年6月にカンボジアを訪れた。6日間の視察日程で、首都・プノンペンと古都・シェムリアップを訪問し、カンボジアの[...]
2024年07月15日 コラム
プラスチックの再生材利用の義務化はどこまで進むのか。6月末に経済産業相の諮問機関である小委員会の取りまとめ案の[...]
2024年06月24日 コラム
まったく同じ内容であっても、読み書き言葉ではなく、話し言葉で説明して欲しいという一定数のニーズが存在する。活字[...]
2024年06月17日 コラム
週末の恒例行事が家族麻雀となっている。妻が「麻雀をやってみたい」と言ったのをきっかけだ。高校生の息子と中学生の[...]