【プラ新法の再資源化事業計画】
緑川化成工業と大栄環境グループが初の認定取得
アクリル板や工場端材、食品包装、PETボトル対象に FREE

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 環境省・経済産業省は4月19日付けで、プラ新法に基づく「自主回収・再資源化事業計画」及び「再資源化事業計画」を初めて認定したことを発表した。前者は緑川化成工業、後者は大栄環境グループの三重中央開発とDINS関西の計3社に対して。計画認定を受けると廃プラの収集運搬や中間処理の業許可が不要になる。既に許認可を保有する事業者にとっては、PR効果や排出事業者の囲い込み、未認可エリアで収集を広げる際のメリットとなる。

関東圏でアクリル板を再資源化

 製造・販売事業者が申請できるのが「自主回収・再資源化事業計画(プラ新法第39条)」。今回、緑川化成工業が初めての認定を受けた。同社はプラスチック専門商社として、プラスチックの加工品や製品の製造・販売を手がけてきた。事業計画の対象となったのが、アクリル板の年間100トン。1都6県から収集したものからペレットに再資源化し、再生アクリルシートを製造する。

 コロナ禍において飲食店や事業所で大量に設置されたアクリル板だったが、各種制限の解除や感染症第5類への移行で、廃棄量も増えていく見通し。まさに時勢にあった、自主回収・再資源化事業計画の認定取得であろう。同社は、これまでもイベントなどで出たアクリル板を委託業者と連携して、資源化に取り組んできた。収集運搬の許可を保有していなかったため、今回の事業計画認可によるメリットは大きい。

排出元と連携し、廃プラ・PETを再生

 一方、排出事業者あるいは再資源化事業者が申請できるのが「再資源化事業計画(プラ新法第48条)」である。今回、大栄環境グループの三重中央開発とDINS関西が再資源化事業者の第1号、第2号として認定を取得した。

 三重中央開発は、5社(大和ハウス工業、真秀コールド・フーズ、パイロットインキと他2社)から排出される年間640トンの廃プラを、自社のプラスチックリサイクル施設においてペレットに再資源化。その後、自社グループのプラファクトリー(大阪府堺市)で、物流用パレットの原料として使用する。廃プラの内訳は、食品包装資材が年間360トン、工場端材が年間280トンとなっている。

 またDINS関西では、飲料メーカー2社から排出される年間201トンの廃棄 PET 飲料を回収。中身の飲料残渣は、自社工場でバイオエタノールとして再資源化。廃 PET ボトルは自社工場で破砕した後、外部のボトルtoボトル事業者向けに PET樹脂原料として出荷する。

 同社グループの場合、既に収集運搬及び中間処理の許認可を取得済み。その点で、事業計画によって許可不要となるメリットはない。だが、大臣認定というPR効果とともに、クローズシステムによる排出事業者の囲い込みに繋がる。また同社グループであっても、認可未取得のエリアもあり、追加届出により、そうした地域での広域展開が可能になってくる。

※公表日の間違いを修正し、一部の文言を加筆しました。(2023年4月25日9:34)

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