ヒロコウエコテクノロジーセンター
宏幸(神奈川県横浜市、高谷宗良代表取締役)が手掛ける風力発電設備のリサイクル事業がプラスチック資源循環促進法(以下、プラ新法)の「再資源化事業計画」として、今年7月、認定を受けた。風車ブレードに使われる熱硬化性プラスチックFRP(繊維強化プラスチック)と、使用済み被覆ケーブルの塩ビ樹脂(PVC)を独自の高度リサイクル技術によって活用し、太陽光発電設備の敷マットに商品化する。風力発電設備の耐用年数はおよそ20年。風車ブレードは15トン以上の重量があり、今後のリサイクル需要が見込まれる。宏幸はそのニーズに対応するべく、2025年後半には秋田県に、2026年には北海道に新たなリサイクルプラントを設ける計画だ。
宏幸の認定を受けた再商品化事業計画は、プラ新法の第48条第1項第2号にあたるいわゆる「2号認定」。1号認定が排出事業者が申請するのに対して、2号認定は複数の排出事業者からプラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化の委託を受けた再資源化事業者が申請するもの(収集又は運搬の全部又は一部委託含む)。認定取得により、廃棄物処理法に基づく業の許可が不要となり、対象廃棄物を計画の範囲で収集、運搬、再資源化できる。
同計画の内容は、風車ブレードとバスタブのFRP(繊維強化プラスチック)を年間311トンと、ケーブル被覆のPVC年間630トンを再資源化し、太陽光発電所の防草敷マットの原料に使用する。製造した敷マットは、防草対策「エコ敷マット」(1.1×2メートル、厚さ0.5センチ、メーカー希望価格税別3500円)として販売している。リサイクルプラントであるヒロコウエコテクノロジーセンター(神奈川県足柄市)の処理能力は1日あたり5トン以下。同計画のポイントは、リサイクルが困難で埋立処分されることが多かったFRPの再資源化を実現したところにある。
…
この記事は有料会員記事です
▼残りの90%を読むには、会員登録が必要です▼
この記事は有料サービスをご契約の方がご覧になれます。
契約されている方は、下記からログインを、
契約されていない方は1か月の無料トライアルからお試しいただけます。
2025年12月01日【中華系リサイクラー4社に聞く】中国の廃プラ輸入禁止を経て、事業方針を転換日本で拓くプラスチックリサイクルの可能性
2025年12月01日【岡田商事】家電由来のMIXプラを月間2,000t受け入れペレット化独自の高度選別技術を磨き、大半を中国へ安定輸出
2025年11月24日【萩原工業】リサイクルプラスチックの粘度を均一化する技術を開発三井化学と連携し、設備の製造・販売を開始
2025年12月01日【廃プラ・再生製品の輸出入動向】アジア輸入規制がもたらす今後の国際循環と対応策
2024年01月26日【シタラ興産】埼玉で一廃・産廃焼却施設に122億円投資2027年に稼働予定、年間1万5000MWの発電も
2025年12月01日 コラム
改正資源有効利用促進法(資源化法)で自主目標と定期報告の対象となるプラスチックは、自動車・家電・容器包装の3品[...]
2025年11月25日 コラム
去る11月6日、(一社)日本RPF工業会が開催する「第9回 安全大会」を取材した。RPF製造工場で起こりがちな[...]
2025年11月03日 コラム
慢性的な人材不足に陥っている現在の日本。業界内で言っても、特に中間処理施設をはじめとするリサイクル企業は、3K[...]
2025年10月27日 コラム
来年度の容リ入札制度の見直し方針が示された。検討会は計2回開かれ、安定枠の廃止や上限価格の適正化など、概ね材料[...]