
「ゼロカーボンシティ」というのをご存じだろうか?!自治体が2050年までにCO2排出量をゼロにする目標を掲げたもので、これまでに1013の自治体が宣言している。家庭やオフィス、飲食店などで発生する一般廃棄物は自治体に処理責任があり、その約8割が焼却処理に回っている。目標は任意であるが、この過程で排出されるCO2をいかに減らすかが各自治体に課された課題となっている。
▼実際、焼却処理で発生するCO2の約9割はプラスチックに由来する。減らすには①発生抑制と分別リサイクルの推進、②焼却施設の高効率化とごみ発電、③CO2の貯留回収(CCS/CCUS)が有効な手立てだろう。また国からの借金である循環型社会形成推進交付金を得るためには、自治体のプラ分別収集の実施が要件となっている。こうした背景から、容リプラ・製品プラの一括回収はもはや義務に近いものとなった。今後、一廃由来の廃プラ回収量は確実に増えるとみられ、環境省は2030年までに最大170万トンに上ると見積もっている。
▼再商品化施設(リサイクル施設)の能力が不足する懸念もあった。しかし、リサイクル委託費としてキロ50~60円前後の収益が見込めるため、各地では新規計画が続々と現れている。むしろ未知数なのは、資源循環を考慮した再商品化後の出口戦略ではないか。容リ・製品プラは用途が限られ、ペレットの売価はキロ20~40円程度。付加価値が低く、ライフサイクルが短い用途が中心であり、莫大なコストをかけながら使い捨てに近い製品が量産されている。制度主導型リサイクルによる最大の難所と言えるだろう。
2025年12月01日【中華系リサイクラー4社に聞く】中国の廃プラ輸入禁止を経て、事業方針を転換日本で拓くプラスチックリサイクルの可能性
2025年12月01日【岡田商事】家電由来のMIXプラを月間2,000t受け入れペレット化独自の高度選別技術を磨き、大半を中国へ安定輸出
2025年11月24日【萩原工業】リサイクルプラスチックの粘度を均一化する技術を開発三井化学と連携し、設備の製造・販売を開始
2025年12月01日【廃プラ・再生製品の輸出入動向】アジア輸入規制がもたらす今後の国際循環と対応策
2024年01月26日【シタラ興産】埼玉で一廃・産廃焼却施設に122億円投資2027年に稼働予定、年間1万5000MWの発電も
2025年12月01日 コラム
改正資源有効利用促進法(資源化法)で自主目標と定期報告の対象となるプラスチックは、自動車・家電・容器包装の3品[...]
2025年11月25日 コラム
去る11月6日、(一社)日本RPF工業会が開催する「第9回 安全大会」を取材した。RPF製造工場で起こりがちな[...]
2025年11月03日 コラム
慢性的な人材不足に陥っている現在の日本。業界内で言っても、特に中間処理施設をはじめとするリサイクル企業は、3K[...]
2025年10月27日 コラム
来年度の容リ入札制度の見直し方針が示された。検討会は計2回開かれ、安定枠の廃止や上限価格の適正化など、概ね材料[...]