東京都議会で女性議員に対して「早く結婚した方がいい」「自分が産んでから」と不適切にもほどがあるヤジが飛び交ったのは、わずか10年前のこと。ヤジを飛ばした議員が謝罪したことで済まされたが、今日では一発アウトだ。遠い昭和の話ではなく、ここ数年で「~ハラ」が次々と生み出され、人権や多様性を重んじる価値観が大きく変化した。プラスチック問題に対する社会的な意識も高まり、企業の対応がより積極的になったのも、この10年だ。
▼トヨタ自動車が2013年から売り出した「SAI」は、プラスチック樹脂部分にリサイクル材を20%以上使用した、環境性能と高級感を兼ね備えた革新的な自動車だった。バンパーやグリルといった外装材やエアコンのダクトなどにもリサイクル材のPPが多用された。欧州でプラ再生材の利用を義務づけるELV(使用済み自動車)指令を先駆けたもので、当時、先進的で野心的な試みだった。自動車は消費財の中でもっとも高い安全性が求められるため、プラスチックのリサイクル材の大幅な使用は、品質保証の面で未知数だったからだ。
▼海洋プラごみ解決を目指すCLOMAも、包装材にリサイクル材を30%使用する規制案の模索を進めている。初めに100万人規模の自治体で、ブランドオーナーがテスト的に水平リサイクルをスタートさせるという。PETボトルのBtoBも10年前はわずか15%だったが、今では50%に迫る勢いである。今後10年で、包装材や消費財にリサイクル材が普通に使われる時代が到来するかも知れない。ちなみに東京都議会では、ヤジが減り、女性議員の比率が今や30%を超え、過去10年で11ポイントも上昇したそうだ。
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