2025年6月23日 PJコラム 

【コラム】
廃スプリングマットレス、広域で進める再資源化

PJコラム

 家具インテリアリサイクル協会(略称:FIRA)は、スプリングマットレスの広域認定制度の認定を取得し、一般家庭から排出される廃スプリングマットレスおよびその付属品の回収、分別、再資源化へ向けたスキームを確立した。構成会員企業13社が連携し、効率的なリサイクルの推進を図っている。現時点では関東エリア限定のスキームであるが、協会には全国各地から多くの問い合わせが寄せられており、リサイクルへの関心は全国的な高まりを見せている。今後、どのように水平展開していくかが、協会の検討課題となっている。

▼廃スプリングマットレスは、解体・分別工程によって、鉄資源となるコイルスプリングの他、側生地、ウレタン、不織布などに分けられる。ウレタンや不織布といったプラスチック系素材は、主にRPF(固形燃料)としてリサイクルされている。今後は、解体・分別の精度をさらに高め、再生ボードやその他のプラスチック製品への活用も視野に入れる方針だ。ただし、再生材に適した単一素材ごとの分別は依然として技術的ハードルが高く、協会では「すぐに対応可能な環境にはない」という。

▼現在、廃スプリングマットレスの処理に困っている自治体や企業、施設は多い。FIRAとしては、スプリングマットレスを廃棄処理困難製品と位置付け、全国規模でリサイクルできる体制を構築することに注力していく。さらにスプリングマットレスにとどまらず、他の家具類を含むリサイクル事業の展開も視野に入れており、現在は産業廃棄物に関する広域認定の取得へ向け、環境省と詳細の申請協議を進めている。

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