4月入社を前に新入社員研修が始まっている。コロナ禍でオンラインでの実施も多いだろうが、宿泊を伴う研修がなくなったわけでないようだ。スーツ姿の若者が数人集まる様子を駅に散見する。傍らには真新しいスーツケース。海外旅行ができなくなり、スーツケースの需要はさぞかし減ったのではと思っていたが、昨年比で大きく伸長しているそうだ。
特に伸びているのが30~40Lの機内持ち込みが可能なサイズである。鞄メーカーのエースは、現在売れ行き好調なこのサイズのスーツケースの外装部に、使用済み自動車バンパーの再生素材を100%使用した新製品を発売した。使用済みバンパーを使った再生ペレットを提供するのはマツダである。
スーツケースによく使われる素材はポリカーボネート(PC)だが、自動車のバンパーは主にポリプロピレン(PP)だ。エースはPPを使ったスーツケースを生産した経験はあった。しかし従来のPCで作る真空成形では、再生PPは軟らか過ぎて上手くいかなかった。そこで採用したのが射出成形(インジェクション成形)。この方法で成形は上手くいった。だが、再生PPとバージン材とでは物性が違った。固まるときの収縮率も異なり、今度は部品取り付けの位置が微妙にずれてしまう問題が発生した。生産工場で微調整を繰り返し完成にこぎつけたという。
マツダの2021年の乗用車国内販売台数は約14万4,000台。1台分のバンパーから2個のスーツケースを作ることができる。エースは自動車バンパー由来のこの新製品の販売予定数を公表していないが、消費者心理が大きく動けば、数多くの再生プラスーツケースが街を走るかもしれない。
2022年08月30日【容リ下期速報】
PETボトルの落札平均価格が115円/kgに
バージン市況軟化の中、過去最高値を更新 FREE
2023年01月10日【スペイン】
英国に続きプラスチック税導入、EU加盟国では初
0.45ユーロ/kg課税、再生プラ市況への影響は?
2023年01月30日【2023年1月PETボトル市況】
23年度上期の容リ入札、大幅下落か
バージン軟化とBtoBもコスト抑制へ
2023年02月06日【欧州の最新事情】
電子透かし技術「デジマーク」で自動選別
P&G等が実装、廃プラリサイクルに革命?!
2022年05月14日【廃プラ固形燃料】
RPFの調達価格が上昇
製紙メーカー中心に広がる
2023年02月06日 コラム
株式会社佐久間の創業者であり会長の佐久間浩氏が、今年1月に76歳で逝去した。氏は「人がいやがることをして、社会[...]
2023年01月20日 コラム
今週末(14、15日)大学入学共通テストが行われた。今年の大学入試では電気・電子、応用化学の学科など理工系を志[...]
2023年01月16日 コラム
「毎度おなじみのチリ紙交換車でございます」。現在ではほとんど見なくなったチリ紙交換は、1965年頃(昭和40年[...]
2023年01月07日 コラム
昨年暮れに不覚にもコロナウイルスに感染してしまい、暫く床へ伏せる憂き目にあった。これまで経験した風邪症状やイン[...]