2022年3月26日 PJコラム 

【コラム】

PJコラム

 自動車は年間300万台超が廃棄されているが、これは新車の販売台数とリンクする。新車は半導体の供給不足によって納車が追い付かず、販売量が落ち込んでいる。今年1月の自動車リサイクル法に基づく廃棄台数は過去最少を記録したようだ。自動車には解体時に重量ベースで17~19%のASRと呼ばれるシュレッダーダストが出る。その約3分の1が廃プラ類である。つまり自動車の重量の5~6%が廃プラというわけだ。

 自動車に限らず、産廃由来の廃プラの発生量は年々減少傾向にある。プラスチック循環利用協会によると、廃プラの発生量は2020年に823万トンで5年前より8.5%減っている。一廃由来と産廃由来の内訳は410万トンと413万トンで一廃の回収量が肉薄している。4月のプラ新法の施行で、産廃系の排出が抑制され、一廃系の掘り起こしが進むとみられるので、やがて両者は逆転するであろう。

 2020年のリサイクル手法の内訳は、エネルギー回収(ER)が67%、マテリアルリサイクル(MR)が21%、ケミカルリサイクル(CR)が3%だった。2030年までの需要予測は、ERではボイラー増設などの石炭代替需要によって、新たに約80万トンのRPFを使う。RPF原料の7割が廃プラとすれば56万トンの新規需要に匹敵する。CRは業界団体が150万トンの目標を打ち出す。数年内に2万トン級のテストプラントが立ち上がり、目標年までにその10倍規模のプラント設置も視野に入る。MRも能力増強に躍起だ。年内に4万トンの処理能力の施設が2ヵ所も立ち上がり、既存施設でも能力増の動きがある。廃プラの発生源が産廃→一廃に移りつつある中で、各手法で囲い込みが予想される。

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