自動車は年間300万台超が廃棄されているが、これは新車の販売台数とリンクする。新車は半導体の供給不足によって納車が追い付かず、販売量が落ち込んでいる。今年1月の自動車リサイクル法に基づく廃棄台数は過去最少を記録したようだ。自動車には解体時に重量ベースで17~19%のASRと呼ばれるシュレッダーダストが出る。その約3分の1が廃プラ類である。つまり自動車の重量の5~6%が廃プラというわけだ。
自動車に限らず、産廃由来の廃プラの発生量は年々減少傾向にある。プラスチック循環利用協会によると、廃プラの発生量は2020年に823万トンで5年前より8.5%減っている。一廃由来と産廃由来の内訳は410万トンと413万トンで一廃の回収量が肉薄している。4月のプラ新法の施行で、産廃系の排出が抑制され、一廃系の掘り起こしが進むとみられるので、やがて両者は逆転するであろう。
2020年のリサイクル手法の内訳は、エネルギー回収(ER)が67%、マテリアルリサイクル(MR)が21%、ケミカルリサイクル(CR)が3%だった。2030年までの需要予測は、ERではボイラー増設などの石炭代替需要によって、新たに約80万トンのRPFを使う。RPF原料の7割が廃プラとすれば56万トンの新規需要に匹敵する。CRは業界団体が150万トンの目標を打ち出す。数年内に2万トン級のテストプラントが立ち上がり、目標年までにその10倍規模のプラント設置も視野に入る。MRも能力増強に躍起だ。年内に4万トンの処理能力の施設が2ヵ所も立ち上がり、既存施設でも能力増の動きがある。廃プラの発生源が産廃→一廃に移りつつある中で、各手法で囲い込みが予想される。
2024年04月22日【容リプラ・製品プラ】一括回収が89自治体まで増えるも、落札量は微減再商品化計画への移行や容リルートからの離脱で
2024年04月22日【プラスチック汚染対策条約】第4回会合(INC-4)がカナダ・オタワで開催生産削減で合意できるか?日本の主張にも注目
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年04月22日【サムズ】使用済み紙おむつリサイクル普及拡大目指す栗田工業との協業とさらなる研究開発推進
2024年04月22日【イワフチ】容リ法施行前の1995年からPETフレークの生産を開始九州におけるPETボトルの扱いシェアは6~8%「容リ法によるPETボトルの役割は終わったのではないか」(岩渕社長)
2024年04月22日 コラム
紳士服・スーツ販売「洋服の青山」の青山商事が牡蠣の貝殻を使った素材「SEA WOOL(シーウール)」のスーツを[...]
2024年04月15日 コラム
ファーストペンギンという言葉がある。常に集団で行動するペンギンの中で、天敵がいるかもしれない海に向かって、真っ[...]
2024年04月08日 コラム
紅麹を含むサプリメントが健康被害を引き起こし、騒動となっている。この「機能性表示食品」というのは、2015年に[...]
2024年03月25日 コラム
先日、直富商事(本社・長野市)が新設した第三工場を取材した。混合廃棄物の中間処理施設で、この分野では日本で初め[...]