
最近、取材先の関係者の口からこぼれるのが、世間から既存のリサイクル手法が猜疑心の目で見られうるという懸念だ。「脱炭素」からみたときにRPF(固形燃料)化を通じた熱回収という手法は、「燃やす」のでCO2排出は避けられない。「水平リサイクル」からみたときにPETボトルの繊維向け・シート向けの用途は「ダウンリサイクル」になってしまう。台頭するケミカルリサイクルやボトルtoボトルの手法が、素材の循環という意味では優れているので、従来のリサイクルが否定されかねないわけだ。素材の寿命を延ばし、新たな原料投入を抑えられる利点があることは間違いない。ただ、新たなリサイクル手法はエネルギーとコストが余分にかかることにも留意しなければいけない。
マーケティングで「意味のイノベーション」という考え方がある。消費者がモノを購入する際、機能のような有用面だけでなく、デザインやブランドといった価値や意味も含めて判断する。そこにエコという環境に優しいかどうかという意味も含まれる。意味のイノベーションとは、新たな意味付けをすることで、需要を喚起しようとするものだ。「水平リサイクル」への傾倒は、意味のイノベーションとして消費者に響いたとしても、本当に環境負荷が低いのかは別の問題。従来のリサイクル手法とLCAを用いて慎重に検証すべきである。リサイクルに投入するコストも無限ではない。再生素材としてコストはどこまで許容されるのか、収集や中間処理の過程でどこまでコストをかけるのか。最終的に商品価格に転嫁され、無制限に税金が投入されても、環境負荷が変わらなかったというのでは、誰が得するのか分からない。
2026年10月28日【インタビュー】
農林水産省 輸出・国際局 規制対策グループ 大臣官房
新事業・食品産業部 外食・食文化課 食品ロス・リサイクル対策室
~日本産の食品輸出に迫るPPWRの新たなハードル
お茶・牛肉等の包装材に求められる対応とは~
2026年10月28日【2026年10月のPETボトル市況】
廃PETボトル、発生減と争奪戦で一段高に
大手の原料囲い込み、中国産PETのAD関税失効も焦点に
2026年10月28日【PPWRの原則適用開始】
2030年に向けて厳格化する包装規制
日本企業への影響は?!
2026年10月21日【華興】
4万t/年のPETボトルをスマートファクトリーでフレーク化
高度選別ライン・生産管理システムの機械販売も展開へ
2026年10月21日【イタリア・ミラノからの資源循環通信】
第4回「プラスチックごみの選別施設」
国立環境研究所 河井紘輔氏
2026年10月28日 コラム
補助金は、申請すれば必ず採択されるものではない。公募要件を満たすのは大前提として、事業の持続可能性や社会実装へ[...]
2026年10月21日 コラム
産廃業界では、サイバー攻撃を受けずとも、営業機密が丸裸にされているかのようだ。再資源化高度化法で創設された報告[...]
2026年09月25日 コラム
9月8日、東京都環境局が主催する「第2回サーキュラーエコノミーサロン」を取材した。イベントに参加した17社の取[...]
2026年09月18日 コラム
フランスの思想家ジャン・ボードリヤールが1970年代以降に提唱した「シミュラークル」という概念がある。現代社会[...]