2022年4月8日 PJコラム 

コラム「出島とプラスチックの発祥」

 長崎の出島の歴史は、1500年代後半にポルトガル船が長崎に入港した時に遡る。その後、キリスト教の宣教師が来日して各所に教会が建てられた。しかし江戸幕府はキリスト教の広まりを恐れて弾圧に転じる。貿易は継続させたかった幕府が考えたのは、出島にポルトガル人を封じ込み、貿易は継続してキリスト教の布教は防ぐという方法だった。その後、島原・天草一揆でポルトガルが首謀者に肩入れをしたため、ポルトガル船の来航が禁じられ、代わりにオランダ商館が出島に移転された。以後、オランダとの貿易がメインに行われるようになった。

 10年前に長崎の出島を訪問した。出島記念館のような形で、当時のオランダ商館員の住居、貿易品を保管する蔵、日本人役人の詰所等、16の建物が復元されて並んでいる。オランダ商館長だったカピタンの部屋が非常に興味深かった。畳の上に洋風のテーブルや椅子、ベッドが置かれており、和洋折衷の生活様式を見ることが出来る。また当時のオランダ人が娯楽として楽しんでいたビリヤードやバトミントンが置かれ、見学者は体験できるようになっている。

 ところでプラスチック誕生の歴史は、このビリヤードボールが由来だという。1869年に米国のビリヤードボール会社が、不足する象牙に代わるボール素材を1万ドルの懸賞金付きで募集。それに応募した元印刷工で化学発明家のジョン・W・ハイアットの案が採用された。ハイアットは研究過程で偶然、セルロース(食物繊維)を元にしたセルロイドを開発した。これは天然素材を使った半合成樹脂の世界初のプラスチックと言われ、米国で特許を取得した。翌1870年に彼は、ビリヤードボール・入れ歯・ピアノの鍵盤をセルロイドから製造する会社を設立し、セルロイドの生みの親として億万長者になったという。

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