医療系廃棄物処理施設
㈱ビートルエンジニアリング(福岡県北九州市八幡西区陣原2丁目8-2、西原靖博代表取締役)の北九州エコタウンにある2工場を見学した。同社は2020年10月から若松第一工場の稼働を開始している。資本金は2500万円、従業員は35名。北九州市の産業廃棄物処分業・特別管理産業廃棄物処分業の許可を取得している。2020年度(2020年10月~21年3月)の受入実績量は1651トン、21年9月期の売上高は3億円だった。
親会社である㈱西原商事は1972年(昭和47年)に古紙問屋として創業。今年で50周年を迎える。1982年から廃棄物の収集運搬、1996年から廃棄物リサイクル事業を開始。2000年から発泡スチロールリサイクル、2001年から家電リサイクル(指定引取場所)、2002年から飲料容器リサイクル、2003年からプラスチックリサイクルと、時期を経て様々なリサイクル事業に着手した。2007年にはグループ会社㈱ビートルマネージメントにて、廃棄物管理サービス事業を開始した。12年にはインドネシア・スラバヤ市でリサイクル事業を開始。2014年からプラ燃料化事業と消化器リサイクル事業を開始している。
産廃の焼却処理施設
㈱ビートルエンジニアリングの若松第1工場は北九州エコタウン内に位置し、2020年10月にオープンした。同工場は産業廃棄物と医療系廃棄物の焼却施設となっている。敷地面積は2600坪で、焼却処理を行っていく炉筒が設置されている。多段水冷式の焼却炉とガスの完全燃焼を行う二次焼却炉を組み合わせることにより、医療機関から排出される感染性廃棄物や液状の廃棄物も、安定的に焼却処理が可能となっている。1日の処理能力は24時間稼働で日量47トンまで可能だが、現在の処理量は30トンほどとなっている。許可を取得するにあたって、環境影響調査及び都市計画審議会を経て、万全の準備を進めた。
同工場では、産業廃棄物を破砕して焼却する他に、硬質プラや製品プラの破砕も行っている。また医療系廃棄物はクローズ型の専用棟で処理しており、日量23トンまで処理が可能で、現在は10~17トンを処理している。医療系廃棄物は点滴パックや点滴の管の排出が多い。またコロナ禍では、例えば隔離ホテル等で使用したものは全て医療系廃棄物となり、かなり膨大な量が排出される。この第一工場の開設当初からコロナの感染が拡がっていたこともあり、処理施設として地域医療の安定化を下支えする工場の1つとなっている。
…
この記事は有料会員記事です
▼残りの75%を読むには、会員登録が必要です▼
この記事は有料サービスをご契約の方がご覧になれます。
契約されている方は、下記からログインを、
契約されていない方は1か月の無料トライアルからお試しいただけます。
2025年02月25日【ELV規則案を改定】 再生材の利用率基準を緩和、開始時期は前倒し欧州のリサイクル業界団体らは修正案に反発
2025年04月07日【慶應義塾大学・宮本教授研究グループ】土壌からプラスチック分解菌を発見プラスチック分解酵素開発の第一歩
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2025年03月10日【パナソニックHD】海洋生分解性セルロースファイバー成形材料開発バイオマスプラスチック普及の弾みとなるか
2025年01月14日【プラニック】 ヴェオリアが昨年12月に撤退し、豊田通商が株式承継本格稼働からわずか2年、採算や品質改善でもハードル
2025年03月24日 コラム
我が家の鉢植えの桜もつぼみが膨らみ、春の訪れを感じるこの季節。来月からは新入社員が社会人としての一歩を踏み出す[...]
2025年03月17日 コラム
対馬は九州の玄界灘の韓国寄りに位置する島で、本州に付随する島では佐渡島・奄美大島に次いで3番目に大きく、人口2[...]
2025年03月10日 コラム
3月、奈良県橿原市に誕生した世界最大の無印良品を訪れた。売り場面積は約8,200平方メートルに及び、そのコンセ[...]
2025年02月25日 コラム
トーエイ㈱総務部企画課の萩原早智主任は、広報を含めた会社のさまざまな業務を担当している。総合職で入社した新入社[...]