PETボトル価格が高騰している。一部ではリサイクルPET樹脂がバージンPET樹脂を上回っている。経済合理性に照らすと、再生原料から作ったリサイクル品の価格がバージン品を上回るということはありえなかった。飲料メーカーが再生PETボトルの利用目標を達成すべく、コストアップを顧みずに原料確保に動いたゆえに、こうした歪んだ市場が生まれたわけだ。「環境価値」と言えば聞こえはいいが、そのコストを支払うのは結局、消費者だ。使い捨てプラスチックで受けてきた恩恵が、代償として降りかかってきたと言えるのかも知れない。
PETボトルを収集・中間処理するにも、コストがかかっている。やや古いが、2005年にPETボトルリサイクル協議会がまとめたレポートによると、自治体の収集運搬費用が平均キロ55円、選別・圧縮・保管費用が平均キロ34円で、合わせてキロ89円としている。当時とはPETボトルを取り巻く環境も大きく変わり、自治体によって回収方法や選別業務、処理量の違い等があるので一概には言えないが、いかにPETボトルや廃プラ類の収集運搬・中間処理コストが高いかが分かる。これらを全て民間企業が行おうとすると、誰がこのコストを払うのかという問題に突き当たる。廃プラ全般にも言えるが、リサイクルしようとするとまず物流効率の悪さを克服しなければならない。PETボトル回収量のおよそ半分は家庭から回収されたものだが、税金による費用負担でリサイクルが賄われていることが前提となっている。
2024年07月22日【プラ再生材利用の義務化】 中間とりまとめ案がパブコメ中、8月半ばまで行動変容につながる大手企業の自主目標設定に期待
2024年07月22日【SusPla(サスプラ)】再生プラの利用拡大に向け、認証制度創設へトヨタ自動車などの動脈企業も多数入会
2024年07月22日【プラスチックサーキュラーエコノミー推進協会】材料リサイクルの再商品化事業者22社が立ち上げ入札上限価格の見直しなど、政府へ要望書提出へ
2022年12月19日【エビス紙料】3月に愛媛工場開設、3工場でRPFを月間3600トン製造サーマルとマテリアルで資源化、海洋ごみも原料化に
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年07月22日 コラム
今年6月にカンボジアを訪れた。6日間の視察日程で、首都・プノンペンと古都・シェムリアップを訪問し、カンボジアの[...]
2024年07月15日 コラム
プラスチックの再生材利用の義務化はどこまで進むのか。6月末に経済産業相の諮問機関である小委員会の取りまとめ案の[...]
2024年06月24日 コラム
まったく同じ内容であっても、読み書き言葉ではなく、話し言葉で説明して欲しいという一定数のニーズが存在する。活字[...]
2024年06月17日 コラム
週末の恒例行事が家族麻雀となっている。妻が「麻雀をやってみたい」と言ったのをきっかけだ。高校生の息子と中学生の[...]