
PETボトル価格が高騰している。一部ではリサイクルPET樹脂がバージンPET樹脂を上回っている。経済合理性に照らすと、再生原料から作ったリサイクル品の価格がバージン品を上回るということはありえなかった。飲料メーカーが再生PETボトルの利用目標を達成すべく、コストアップを顧みずに原料確保に動いたゆえに、こうした歪んだ市場が生まれたわけだ。「環境価値」と言えば聞こえはいいが、そのコストを支払うのは結局、消費者だ。使い捨てプラスチックで受けてきた恩恵が、代償として降りかかってきたと言えるのかも知れない。
PETボトルを収集・中間処理するにも、コストがかかっている。やや古いが、2005年にPETボトルリサイクル協議会がまとめたレポートによると、自治体の収集運搬費用が平均キロ55円、選別・圧縮・保管費用が平均キロ34円で、合わせてキロ89円としている。当時とはPETボトルを取り巻く環境も大きく変わり、自治体によって回収方法や選別業務、処理量の違い等があるので一概には言えないが、いかにPETボトルや廃プラ類の収集運搬・中間処理コストが高いかが分かる。これらを全て民間企業が行おうとすると、誰がこのコストを払うのかという問題に突き当たる。廃プラ全般にも言えるが、リサイクルしようとするとまず物流効率の悪さを克服しなければならない。PETボトル回収量のおよそ半分は家庭から回収されたものだが、税金による費用負担でリサイクルが賄われていることが前提となっている。
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