容リ協が実施する下期のPETボトル落札平均価格が115円/kg(有償)を付けた。過去最高値を更新しただけでなく、100円台という大台を突破した。輸出向けに破砕・洗浄したフレーク価格よりも、国内で流通するベール品の価格のほうが高い異常事態となっている。飲料メーカーが再生PETボトルを積極的に使う方針を打ち出し、再生処理設備の増設ラッシュが起きたことが、こうした超高値相場を牽引してきた。有償での落札率も99.2%を記録し、有価物として資源価値は定着している。自治体による独自ルートへの切替えも散見され、そろそろ容リルートの再商品化義務から外すことも、本格的に議論すべきではないか?
これから第三者的な役割として期待したいのは、安定性や信頼性を高める取組みだ。例えば「PETボトルリサイクル推奨マーク」というものがあるが、再生ボトルではほとんど使われていない。飲料メーカー各社が再生原料の使用比率を主張するだけだ。リサイクルを担保するためにも、第三者による認証制度があっても良いのではないか。また、PETボトルの再生処理設備がこれほど増強された中でも、各工場での原料の消費量や在庫量の動向データを集約し、共有する機構がない。個社では難しくても全体のデータであれば、競争法やコンプライアンスの観点からも可能だ。ひいては思惑買いによる原料コスト増を避けつつ、生産計画の見通しも立てやすくなる。PETボトルのリサイクルは、次なるステージに向かっていくのではないか。
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