過日、創刊1周年を記念して記念セミナーを実地開催した。多数のご参加いただいたことをこの場を借りて御礼申し上げたい。情報を通じて「プラスチックが循環する経済圏」をつくっていくことで、ごみ問題を解決に導けるのではとプラジャーナルを創刊したのが一年前。プラリサイクルはマテリアル、ケミカル、サーマル、そして海外輸出といった手法があるが、新たな投資計画や仕組みづくりが目白押し。まさに過渡期にある混沌とした状況を、横断的に知れる機会になればと企画したセミナーだった。
▼参加者から好評だったのが、質疑応答のアプリ「Slido」を使った質問タイムだ。従来、こうしたセミナーで質問を募っても、国民性なのか、発言を躊躇してほとんど手が上がらない(海外のセミナーでは、質問が引きも切らないのだが・・)。ところが、このアプリを使えば、手元のスマホを使って、かつ匿名で講師に聞きたいことが入力できるので、実に多くの質問が集まった。それを司会が1つ1つ講師にぶつけていったというわけだ。心理的なハードルがとれるだけで、ここまで変わるのかという実例だった。
▼同じことがリサイクルにもいえるかも知れない。PETボトルや様々な容器で水平リサイクルを目指すのは、消費者が「使い捨て容器」に感じる、罪悪感に近い心理的ハードルを取り除きたい、というメーカー側の意図が見え隠れする。同じ容器に再生されるので「安心して買って下さい」というメッセージを届けたいわけだ。だが、見落としてはならないのは、目指すべきゴールは「ごみゼロ」「カーボンゼロ」の社会。遠い理想だが、経済を回すためにも、リサイクルによる循環と代替手段を探索することが、ひとまずの落としどころになる。
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