2022年11月5日 PJコラム 

【コラム】ドイツで開かれたK2022展

PJコラム

 ドイツのデュッセルドルフで10月、K2022(日本ではK展やKショーとも呼ばれる)が催された。世界最大のプラスチック・ゴム産業の展示会であるこのイベントは、3年に1度開催され、1952年から続いている。”K”とはドイツ語のプラスチック=Kunststoffeの頭文字に由来する。渡航制限が残る国もある中、今年は157ヵ国から17万6千人の参加者で賑わったという。街中の至るところで入場票を下げた人を見かけ、ある種の歓迎ムードも漂っていたという。プラスチック事業に携わる関係者が、自らの仕事に誇りを感じる瞬間でもあるらしい。

▼展示会の会場は計17ホールで、屋外も合わせると約30万平米の広さがある。幕張メッセは16万平米なので、その倍近い。特に今回は「サーキュラー・エコノミー」にフォーカスした展示が目立ち、機械メーカー、素材メーカー、プラスチック加工業者が最新の技術や製品を披露していたそうだ。世界最大の家具量販店であるIKEAが、再生プラスチックやリサイクル可能素材を使わないと製品として採用しないと宣言しているように、循環の取り組みなくして、もはやグローバルな事業を展開できなくなっている証だろう。

▼他社とのコラボレーションが生まれる場としても重宝されている。例えば、化学品メーカーのコベストロは、食品包装に使われる複層フィルムはこれまで水平リサイクルが困難だったが、特殊な分離剤を使って PU 接着剤の強度を弱めるプロセスを開発した。こうしたプロセスではパッケージの製造業者とリサイクル業者との協業が欠かせない。主催者も「激動の時代にあって、プラスチック産業が循環経済に向けて変革を遂げている今、K2022 は共同で積極的に未来への道筋を描く理想的な場所だった」とコメントしている。

※ドイツ語の綴りが誤っていたので、訂正しました(2022年11月07日13:37)

週間アクセスランキング

PJコラム »

プラスチック関連情報メディアのプラジャーナルでは購読者受付中です。古紙ジャーナルとの併読割引もございます。
Top