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公益財団法人日本容器包装リサイクル協会(以下、容リ協)が実施する2023年度下期のPETボトルの入札の速報結果が28日、発表された。平均落札単価は42.6円/kgと上期よりさらに17.7円/kg下落した(容リ入札は逆有償が前提なので、有償取引はマイナスで示される)。2022年度下期の史上最高値の115.4円に比べると、3分の1近くまで下がった。次週9月4日には落札結果一覧表が公表される。

飲料メーカーが主導するボトルtoボトル(BtoB)向けの需要増で、一時は争奪戦の様相をみせていた家庭系のPETボトルだったが、落札価格は下落傾向が続いている。何が起きているのか?
今年は猛暑の影響でPETボトル飲料の売上が急増。家庭系だけでなく事業系も合わせ、回収量は昨年実績を上回っている。もともとリサイクル事業者や再商品化事業者の在庫がだぶついていたところに、季節要因も加わり、供給過剰感が強まった。
需要サイドとしては、飲料メーカーによるリサイクル率の引き上げが一服したことである。コカ・コーラとサントリーの両社はともに、2030年までに再生ボトルを含めたサステナブル素材に100%置き換える目標を掲げてきた。こうした環境配慮を軸にしたマーケティング競争の側面も、PETボトルの価格上昇に拍車をかけていた。だが、2022年中に両社ともに50%を達成したことで、2030年までの道筋がついたとみられる。今年5月のG7サミット中には、BtoBリサイクルに関して異例の共同広告を打ったことも、いわば「手打ち」のように映った。
また繊維・シート向けの需要も減っている。BtoBが台頭してきたとはいえ、リサイクルPET樹脂の用途の中で、繊維・シート向けを合わせると、最多の52%を占める。現在のバージンPET価格は140~150円/kgとなっており、前年同期に比べて2~3割安い。繊維・シート向け需要は、バージン価格が下がれば、再生PETからの切り替え現象が起きる。需給がダブついたことにより、割安な事業系PETボトルへの原料の移行も進んだとみられる。
なお、2023年上期の落札分では、計1,282.4トンの途中辞退が起きた。共和観光とシーピーアールの2社が落札した44市町村で指定保管施設30ヵ所の入札分について、8~9月分を他社に振り替えたもの。もともと2社による落札平均価格はそれぞれ73.4円/kgと68.1円/kgだったが、途中辞退分の振り替え後の平均価格は半値以下の30.3円/kgまで下がった。
今後、家庭系のPETは40円/kg台が底値になっていくのではないか、との見方が強い。PETは海外向け需要も底堅く、事業系PETの輸出価格でも30円/kg前後を付けている。事業系PETとは品質面から10~15円/kgの価格差が付く。
また年度後半に立ち上がる新規設備もPET需要を押し上げる。遠東石塚グリーンペットは、兵庫県姫路市の4万坪の敷地に年間10万トンもの再生PET生産設備を導入する。廃PETボトルの処理能力は、年間15万トンに上る。また仏ヴェオリアや三井物産らの合弁事業であるサーキュラーペットは、岡山県津山市に年間2万5千トンの再生PET処理設備を導入する。両工場ともに本格稼働は2024年2~3月頃になるとみられる。
調達するPETの種別・構成で違いはあるものの、廃PETボトルの需要喚起につながることは間違いない。これまでPET市況は東日本が高く、西日本が安かったが、この2工場の稼働によって、西高東低の価格体系が生まれるとも予想されている。
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