「容器包装のプラスチック資源循環等に資する取組事例集」(2023年3月、環境省、農林水産省)を見ると、プラスチック包装のリデュース技術として、紙製バリア素材やヒートシール紙などがあり、今では食品ほか化粧品にも使われているようだ。酸素バリア性があり、中身の品質を保持できるという。におい移りが気になるところだが、それもないらしい。プラスチックフィルムを使わない紙単一素材があり、それならば古紙リサイクルができる。そういえば、時々口にするあのチョコレート菓子も数年前からパッケージに紙が使われていた。
▼同事例集の中で唯一、「3R+Renewable」の4つ全ての項目を満たすとして紹介されていたのが、日本製紙㈱の詰め替えパウチにかわる紙容器『SPOPS(スポップス)』だ。シャンプーや消毒剤などの化粧品・日用品向けの容器だが、カートリッジのように紙パックのまま交換できる点がこれまでの詰め替え容器の発想と異なる。従来のプラスチックボトルに比べて80~90%、詰め替えパウチに比べて25~40%、シングルユースの場合のプラスチック使用量を削減できるという。
▼紙は自然由来で再生可能な資源であり、また適切に管理された森林の木材を使用して作られたFSCなどの森林認証紙を使える。汚れていなければ使用後にリサイクルできるし、たとえ熱回収に回ってもGHG排出カウントはゼロだ。パッケージの紙化はプラスチック削減と脱炭素を両立できる有効な手段の一つである。だが、切り替えコストや使い勝手の良さ、輸送・使用時のエネルギー消費量などを考慮した場合、プラスチックの優位性が簡単には覆りそうにないようにも思うが、その実どうなのだろう。長い歴史の中で、人々の生活は、幾度となく大きく変化してきた。プラスチックを当たり前に使ってきた生活がガラリと変わる、その時なのか。
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