2024年4月22日 PJコラム 

【コラム】地産廃材から価値を生む新製品

PJコラム

 紳士服・スーツ販売「洋服の青山」の青山商事が牡蠣の貝殻を使った素材「SEA WOOL(シーウール)」のスーツを発売した。SEA WOOLは、牡蠣の殻と、PETボトルをリサイクルしたポリエステル繊維からなる素材で、合成繊維に出やすい“テカリ”が抑えられた質感と、ウールのような手触りが特徴だそう。同素材には台湾産牡蠣の殻をナノサイズ粒子にし、再生ポリエステル繊維に混ぜ込んでいる。

▼同社が牡蠣殻由来の素材を採用したのは、牡蠣殻が大量に廃棄されている世界的な現状とその殻を利用した素材があることを、同社のバイヤーが繊維メーカーから紹介されたことによる。同社を含めアパレル業界でも環境に配慮した取り組みを推進する動きが活発化しており、今回の製品もそうした活動の一環ということだろう。台湾のある生地メーカーのサイトによると、台湾では毎年16万トンのカキ殻廃棄物が発生しているそうだ。今回の製品で使用されたのは台湾産牡蠣殻だが、年間で同等の牡蠣殻が発生する日本産の状況はどうか。魚礁に利用されたり、土づくりの肥料や道路舗装の骨材に使われたりしている。

▼他の用途はないかと探すと、通信販売のアスクルで、広島県の牡蠣殻を配合したボールペンとそのスタンドのセット(第一精工舎)が販売されていた。「地産廃材が価値を生んだ文具」シリーズ製品。商品紹介では、他にも廃材活用×減プラスチックの取り組みとして、卵殻、噴石、紙屑などを使い製品化されている。古紙ジャーナルの兄弟メディアに携わる者としては「廃棄される紙屑から生まれたボールペンとスタンドセット」が気になる。

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