
プラスチックの再生材利用の義務化はどこまで進むのか。6月末に経済産業相の諮問機関である小委員会の取りまとめ案の審議を踏まえて、一般紙でもセンセーショナルに報じられた。ところが、関係者に聞けば、今後の議論が必要な項目も多いという。まず対象業種をどこに設定するかといった基本的なことも未決で、国内でどのくらい再生材が供給可能か把握することも欠かせない作業となっている。
▼ただ、製造業メーカーのマインドセットを変える一定の効果もあったのではないか。経済原則だけでは、プラスチックの資源循環に限界があり、法規制による利用義務付けは欠かせない。先行するEUでは、自動車のELV指令案で再生材を25%使用(うち25%を使用済み原料)することが2030年以降にも実装される。容器包装プラスチックも包装種別ごとに、2030 年から10~35%、2040年から25~65%といった最低限の利用率の要件が示されている。
▼日本では利用義務化にあたり、資源有効利用促進法の改正が視野にあるという。同法は10業種・69品目が対象になっているが、努力義務であることや容器包装の製造メーカーなどが含まれていない。そこで容リ法を改正して、リサイクル委託費の減免をセットにして、特定事業者に再生材利用を義務付けていく方向性もありうるだろう。また最近ではプラ新法や高度化法のように、新法をつくってしまう流れもある。どのように法制度の仕組みに落とし込むかも今後、注目される点だ。
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