
容リPETの下期入札価格が再び-50円/kgを割り込んだ。2024年上期以来、1年半ぶりの水準である。PETボトル市況は乱高下を繰り返してきた。2022年下期には-115円/kg、2024年下期には-85円/kgを記録したが、その後は急落した。このアクセルとブレーキを操るのは、再生PETボトルの需要家である飲料メーカーである。PETボトルの水平リサイクル率の高い目標を掲げる一方、バージン材とのスプレッド(価格差)が拡大すれば、包材コストが膨らみ過ぎ、急ブレーキをかける場面が生じる。
▼諸コストが上昇している中で、リサイクルコストが「調整可能な費目」として扱われていいものか、改めて問いたい。現行の仕組みでは、急減速がリサイクラーを翻弄し、国内循環の理想を揺るがす要因となっている。市況高騰の火種は、そもそも飲料メーカー自らが撒いたものでもある。家庭系PETの独自ルートで提携を広げれば、当然ながら容リルートの入札量は減少し、他のシート・繊維向け需要との競合が激化する。さらに、事業系PETを産廃業者に加工賃を払って囲い込む動きも、収率の高い家庭系PETの取り合いを助長しているわけだ。
▼1、2年後には、PETボトル市況が再び高騰しうる。過去から得られる教訓は2つある。第一に、自主目標では安定的なリサイクルに限界があることだ。改正資源有効利用促進法では再生材利用の自主目標の設定にとどまったが、将来的には義務化も検討に値する。第二に、廃PETボトルの各事業者の消費量や流通過程における在庫量といった統計が整備されていない点である。市況の過熱を避け、市場を見通しやすくするためには、データ基盤の整備が欠かせないだろう。
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