
これまでの25年間、毎年欠かさず夏フェスに通ってきたが、近年の異常な暑さと体力の衰えには抗えず、ついに“卒業”することにした。思い返せば15年前、フェス専門の環境コーディネーターに取材したことがある。夏フェス会場のごみステーションでは、実に細かい分別が行われていた。食べ残し、紙皿、割箸、串、プラ容器、ビニール、紙コップ、紙ごみ、PETボトル、キャップ、ラベルなど、驚くほど多くの項目に分けられていた。しかし、その際に「食品残さが付着した紙皿やプラ容器を、何とかリサイクルできないか」と相談された。来場者が丁寧に分別しても、こうした容器は結局リサイクルできず、焼却処分されていたのだ。
▼そんな折、先日訪問した熊本市の㈱永野商店の西部事業所で、状況が変わりつつあることを実感した。同事業所では、スーパーやコンビニ、病院、介護施設、学校給食などから排出される食品廃棄物や廃棄飲料を発酵させ、メタンガス化して電力に変えるリサイクル施設を稼働させている。この施設の特筆すべき点は、食品がプラ容器や紙容器に入ったままでも処理できることだ。食品や飲料の廃棄物はメタンガス化し、残ったプラ・紙容器はRPF原料として再利用される。通常、食品残さ付き容器は塩分(塩素)濃度が高く、RPFには不適とされてきた。しかしこの施設では、破砕後に容器類を自動で洗浄・乾燥する工程を設け、塩素濃度の基準をクリアしているのだ。これからの時代、夏フェスやさまざまなイベントで回収されるごみ類が、電力や燃料として再生される――そんな循環型の未来が、いよいよ現実味を帯びてきた。
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