今後のケミカルリサイクル(CR)の動向に、既存の産廃業者、RPF業者、リサイクラーが注目している。現状の廃プラ処理量のうち、ケミカルリサイクルは27万トンと全体のわずか3%に過ぎない。だが、プラ資源循環新法では「3R +リニューアブル」を基本原則として、できる限り再生可能な資源を使うとの方針が盛り込まれている。CRは繰り返し原料化できるので、この趣旨に沿う。化学業界が持続可能な産業となるべく、飛躍的にリサイクルを進歩させることで、昨今のプラ問題に対する逆風を跳ね除けようとの意向が強い。CRの社会実装により、2030年に150万トン、2050年に250万トンの処理量まで引き上げる目標も打ち出している。
これまでCRが浸透してこなかったのは、なぜか?それは、①原料となる廃プラの安定確保、②高コストな処理費が壁となってきたからである。CRでリサイクルするならば、処理費は現状キロ50円超ほど。産廃の処理費よりも30〜40円も高い水準だ。規模感が出てくれば、この差も縮まってくるだろうが、安定的に廃プラ原料をどのように調達していくか?警戒すべくは、長年培われてきた廃プラ処理の流れを無視して、動脈産業の論理だけでリサイクルの枠をはめることである。法制化やリサイクル料金の一律徴収といった手法が考えられるだろう。だが、多種多様な製品に使われるプラスチックは、家電や自動車のリサイクル法のような仕組みは馴染まない。既存の廃プラを扱う産廃・リサイクル業界には、長年培ってきた技術やノウハウに対する自負もある。脱炭素化社会に向けて石油・化学業界の意向をどう受け止め、リサイクル手法をどう再構築していくのかが問われている。
2022年05月16日【プラ新法動向②~東京23区の一括回収~】
港区・千代田区で一括回収先行、今年度より2区開始
コロナでプラ収集量7%増、交付金要件で検討急務に
2022年05月14日【廃プラ固形燃料】
RPFの調達価格が上昇
製紙メーカー中心に広がる
2022年05月14日【OECD世界廃プラ調査】
世界の廃プラ3億5300万㌧、うち40%が包装用
処理の半分は埋め立て、リサイクル率は15.6%に
2022年03月12日【PETボトル 22年上期入札】
遠東石塚が約4割を落札、最高値は-89円/kg
二大飲料メーカーによる代理戦争の様相も
2022年04月30日《容リプラ+製品プラの一括回収》
【渋谷区】7月から区内全域で先行開始
容リ未収集から段階的にエリア拡大【北区】
2022年05月21日 コラム
2000年代前半から持ち去り行為が社会問題として取り上げられるようになった。持ち去りとは、主に自治体が行う資源[...]
2022年05月14日 コラム
公益社団法人全国産業資源循環連合会が発行する月刊誌『INDUST』で、「サンパイ女子募集!」のお知らせに目が留[...]
2022年05月01日 コラム
東北を訪れる機会があった。現地の人と話していると、知床観光船の遭難事故はコロナ禍と地続きだという。つまりこの2[...]
2022年04月22日 コラム
夏季になる前にエアコンを買い替えようと家電量販店に行った。壁一面に展示されたエアコンの室内機は、遠目に見ればど[...]