
今後のケミカルリサイクル(CR)の動向に、既存の産廃業者、RPF業者、リサイクラーが注目している。現状の廃プラ処理量のうち、ケミカルリサイクルは27万トンと全体のわずか3%に過ぎない。だが、プラ資源循環新法では「3R +リニューアブル」を基本原則として、できる限り再生可能な資源を使うとの方針が盛り込まれている。CRは繰り返し原料化できるので、この趣旨に沿う。化学業界が持続可能な産業となるべく、飛躍的にリサイクルを進歩させることで、昨今のプラ問題に対する逆風を跳ね除けようとの意向が強い。CRの社会実装により、2030年に150万トン、2050年に250万トンの処理量まで引き上げる目標も打ち出している。
これまでCRが浸透してこなかったのは、なぜか?それは、①原料となる廃プラの安定確保、②高コストな処理費が壁となってきたからである。CRでリサイクルするならば、処理費は現状キロ50円超ほど。産廃の処理費よりも30〜40円も高い水準だ。規模感が出てくれば、この差も縮まってくるだろうが、安定的に廃プラ原料をどのように調達していくか?警戒すべくは、長年培われてきた廃プラ処理の流れを無視して、動脈産業の論理だけでリサイクルの枠をはめることである。法制化やリサイクル料金の一律徴収といった手法が考えられるだろう。だが、多種多様な製品に使われるプラスチックは、家電や自動車のリサイクル法のような仕組みは馴染まない。既存の廃プラを扱う産廃・リサイクル業界には、長年培ってきた技術やノウハウに対する自負もある。脱炭素化社会に向けて石油・化学業界の意向をどう受け止め、リサイクル手法をどう再構築していくのかが問われている。
2025年12月01日【中華系リサイクラー4社に聞く】中国の廃プラ輸入禁止を経て、事業方針を転換日本で拓くプラスチックリサイクルの可能性
2025年12月01日【岡田商事】家電由来のMIXプラを月間2,000t受け入れペレット化独自の高度選別技術を磨き、大半を中国へ安定輸出
2025年11月24日【萩原工業】リサイクルプラスチックの粘度を均一化する技術を開発三井化学と連携し、設備の製造・販売を開始
2025年12月01日【廃プラ・再生製品の輸出入動向】アジア輸入規制がもたらす今後の国際循環と対応策
2024年01月26日【シタラ興産】埼玉で一廃・産廃焼却施設に122億円投資2027年に稼働予定、年間1万5000MWの発電も
2025年12月01日 コラム
改正資源有効利用促進法(資源化法)で自主目標と定期報告の対象となるプラスチックは、自動車・家電・容器包装の3品[...]
2025年11月25日 コラム
去る11月6日、(一社)日本RPF工業会が開催する「第9回 安全大会」を取材した。RPF製造工場で起こりがちな[...]
2025年11月03日 コラム
慢性的な人材不足に陥っている現在の日本。業界内で言っても、特に中間処理施設をはじめとするリサイクル企業は、3K[...]
2025年10月27日 コラム
来年度の容リ入札制度の見直し方針が示された。検討会は計2回開かれ、安定枠の廃止や上限価格の適正化など、概ね材料[...]