
古紙ジャーナルの創業社長が1995年に韓国を訪問した際に、PETボトルのリサイクルが非常に進んでいたことに驚いたという。日本ではPETボトルが今ほど普及していなかったとはいえ、リサイクルの枠組みすら出来ておらず、ほとんどがごみ化していた。しかし韓国では国・市町村・自治会や集合住宅等が一丸となり、PETボトルの分別回収を行う仕組みが既に出来ていた。日本でドイツの法律を手本とした容器包装リサイクル法が制定されるのは、それより後の1997年になる。
PETボトルリサイクルにおいて、時代を先取りし過ぎた感があったのが、根来産業の取り組みだった。容リ法制定前に取材した96年当時の古紙ジャーナルの記事によると、「根来産業、PETボトルの処理施設を一挙5倍の月間600トンに増設」とある。根来産業は1972年創業で、廃PETボトルやリサイクルPEを原料としてカーペットや衣料品を生産するメーカー。自ら回収も手がけながら一貫メーカーとして衣料品を生産。その中で、スーパーにデポジット制のPETボトル回収機を設置した。PETボトル5本で5円を返却する仕組みの回収機だったが、度重なる機械の故障に追われ、修理の手間で回収量はあまり伸びなかった。先駆者ながら色々と手を出しすぎたことが、後の倒産に繋がった感がある。
ちなみに現在のように1リットル未満のPETボトルが解禁になったのが、容リ法が施行される前年の96年から。まだPETボトルの回収方法が確立されておらず、回収の主流が容リルートの行政回収になるのか、スーパー等の店頭回収になるのかも未知数だった。
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